アスベストの「レベル」とはいったい?解体費用への影響などを徹底解説


かつて、さまざまな特性に優れていながら安価である建築資材として、「奇跡の鉱物」と重宝されてきたアスベスト。

しかし今では、アスベストの粉塵にさまざまな健康被害を引き起こす可能性があるということがわかっており、その呼び名を「静かな時限爆弾」と変えるに至っています。

解体することになる建物は築年数が一定以上経過していることが大半ですが、そうした建物ではアスベストが使用されているものも多く、解体に際しては注意が必要でしょう。

そのアスベストには、実はそれぞれレベルというものがあり、レベルの違いによって解体費用にも大きく差が生じることがあります。

アスベストとは?

「アスベスト」は細長い繊維状の天然の鉱物で、「石綿(せきめん、いしわた)」とも呼ばれています。

アスベストは、耐熱性や吸音性、電気絶縁性といった特性に優れており、それでいて安価であることから「奇跡の鉱物」といわれるほどで、かつては建築資材や電気製品などに多用されてきました。

しかし近年、空気中に放出された微細なアスベストの繊維(粉塵)を吸い込んでしまうと、アスベストの粉塵が肺の中に付着し続け、肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こす可能性が高いということが分かってきました。

そのため、現在では建物に使用することは禁止されており、すでにアスベストが使われている建物でも除去作業が進んでいます。

アスベストのレベルの違いについて

アスベストは、使われている形状や密度によって発塵性(粉塵の飛散・発生のしやすさ)が異なり、発塵性の違いでレベル1からレベル3に分類されます。

アスベストが使われている建物を解体する際には発塵性の高さに比例してリスクが高まることになり、それに適切に対処する必要があると判断されたことがこのレベル付けの動機と言えるでしょう。

発塵性が最も高いのがレベル1で、吹き付け材のかたちで耐火建築物の柱や梁、体育館や立体駐車場などの天井・壁といったところによく用いられています。このタイプは解体時に繊維が飛散しやすいため、十分に対策したうえで建材を取り扱う必要があります。

次に発塵性が高いのがレベル2で、配管の保温材や建物の断熱材としてシート状で使用されています。レベル1に比べるとやや飛散性は下がるものの、一旦崩れると激しく飛散するため、解体時にはレベル1と同じようにしっかりとした対応が必要です。

発塵性が比較的低いのがレベル3で、建物の屋根材や外壁材、成形板やタイルなどのかたちで内装に使われます。割れにくい建材であることから飛散のリスクは比較的低いものとされています。

撤去費用に違いはあるのか?

建物に使われているアスベストのレベルの違いは、撤去費用にも影響します。これはアスベストのレベルの違い、すなわちリスクの高低によって、解体作業の内容も大きく変わってくるためです。

危険性の高いレベル1のアスベストが用いられた建物の解体に際しては、事前調査や監督省庁への届け出といった事前準備や作業員への特別教育や保護具の装着の施行、場合によっては薬液の塗布や板状の材料による密閉など、非常に多くの対策が必要となります。

発塵性の比較的低いレベル3では法的な制限も軽く、関係省庁への届け出や前室の設置などは不要ですが、アスベストを含む建築物として注意は不可欠ですし、周囲への注意喚起や建材の湿潤化、作業員の保護具などは必要です。

こうした対応が、結果として撤去費用に反映されることになります。

一例として30坪程度の住宅の場合、レベル3のアスベストが用いられた建物では30万円程度の増額となりますが、レベル1や2のアスベストが用いられている建物の場合は100万円単位の増額が見込まれることもあります。

おわりに

アスベストによる健康被害の問題は、十数年前に大きなニュースになったことからも広く知られるようになりました。建材としての使用が禁止された現在も、すでにアスベストが使われている建物はまだまだ存在し、解体時のアスベスト飛散が懸念されています。

そのアスベストには飛散のしやすさによってレベルの違いがあり、解体費用の見積もりにも大きく影響することになります。あとから費用が追加されるようなことがないよう、見積もりに際しては建物の内部まで確認してもらうなどするといいでしょう。


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