オレオレ詐欺の次は、やれやれ詐欺! アスベストを口実にしたリフォーム詐欺に騙されない方法と勧誘手口について公開


天然の鉱物繊維であるアスベスト(石綿)は、耐久性や断熱性など数々のすぐれた性質をもつことで知られ、かつては非常に多くの建材に使われていました。しかし今では、その健康被害の危険性が広く知られるようになり、その使用も全面的に禁止されています。

そんなアスベストの危険性を悪用してリフォームを強引に押し進めようとする新手のリフォーム詐欺が、近年横行しています。悪徳業者に騙されて大金を投じてしまうことのないよう、アスベスト詐欺商法の実態とその手口について理解し、身を守る術を知っておきましょう。

アスベストを口実にしたリフォーム詐欺とは?

アスベストは、その繊維や粉塵を吸い込んでしまうと分解・排出されず体内にとどまり、中皮腫や肺がんといった重大な健康被害を引き起こす危険があります。アスベストを含む建材が新築物件に使われることはありませんが、過去に建てられた住宅では使われたままになっていることが珍しくありません。

そうした状況を悪用し、アスベストを口実にしてリフォーム契約を強引に取り交わして大金を騙し取ろうとするのが、アスベスト詐欺商法ともいわれるリフォーム詐欺です。リフォーム詐欺にはさまざまな手口・口実がありますが、アスベストを口実にしたものが近年増加しています。

一般的な生活者の方々であれば、アスベストが危険なものだということは知っていても専門知識はそこまでなく、具体的にどういう危険があるのかというところまではよく知らないということも多いものです。悪徳業者は、そうした住民の方々に潜む不安を巧みについて大金を奪い取ろうとするのです。

よくある手口について

アスベストを口実にしたリフォーム詐欺で多いのは、ある日突然、悪徳業者が家を訪ねてくるケースです。そして、「お宅の外壁にアスベストが使われていて、危険性がとても高い状態だ。すぐに工事しないと、家族の皆さんに健康被害が起こってしまいます」と持ちかけるのです。

突然そのようなことを言われた住民の方々は、「この人は誰なの?」「どうしてそんなことがわかるの?」とあやしく思いながらも、「本当にアスベストが使われているのだろうか」「だとしたら、工事しないと危ないのだろうか」といった不安が増していくでしょう。

その不安をつくように、悪徳業者は言葉巧みに「今なら近所の工事のついでにできるから、特別にお安くしておきます」「このままにしておいて大きな地震でもきたら危険ですよ」などと説得し、強引にリフォーム契約をとりつけようとするのです。

ところが、いざリフォーム契約をして料金を支払うと業者と連絡がとれなくなり、もちろん工事も行われない——。これが代表的な手口の一つです。連絡がとれてもさまざまな理由をつけて工事は行われず、調査してもアスベストは発見されなかったということが大半です。

騙されない方法について

このような悪徳業者に騙されないようにするために最も重要なことは、「その場で契約をするのは避ける」ということです。それでも強引にその場での契約を迫ろうとするような業者には、必ず何か理由があります。名刺をもらうなどして一度帰ってもらいましょう。

アスベストの使用状況や危険性を実際に確かめるには、建築士や調査機関、自治体などに相談するのが安心です。ほかの工事業者に調査・見積もりを依頼して、その料金や対応内容を比較検討するのもいい方法です。

また、訪問販売に対しては「クーリングオフ制度」が適用され、万一契約してしまっても一定期間内であれば解除できる場合があります。このことも知っておくと強力な備えになりますので、詳しくは消費生活センターで確認しておきましょう。

おわりに

アスベストという物質は、確かに危険性の高いものです。しかし、その健康被害は、アスベストの繊維や粉塵を吸い込んでしまうことで初めて起こるものです。アスベストが空気中に飛散しなければ人が吸い込むことはなく、したがって健康被害の危険性も非常に低いといえます。

アスベストの危険性に対処しようと考えるなら、まずはそうしたアスベストの危険性を正しく理解し、住居にアスベストが使われているのかどうか、もし使われているとしてそれが飛散しやすい状態なのかどうかを確かめることが肝心です。

加えて、リフォーム工事を行うとしても即決を避け、契約内容を吟味したり他社に相見積もりを依頼したりする時間を設けることで、詐欺から身を守るだけでなく総合的にベストの選択をしやすくなります。


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