価格交渉可能!? 解体工事の閑散期と解体工事を安くできる時期と値引きのポイントについて


住宅の解体工事を行う際の費用にも、「相場」と呼ばれる目安はあります。1坪あたりの費用相場に面積をかけて解体工事の費用を試算してみると「このぐらいの費用なら…」と思うかもしれませんが、さまざまな要素が絡み合う解体工事では相場以上の費用がかかることも珍しくないのです。

総合すると決して安くない費用がかかる解体工事ですが、繁忙期と閑散期の違いを理解したうえで依頼する時期を選べば、値引きをしてもらえることも。解体工事の費用をできる限り安く済ませるためには、いくつかのポイントをおさえておきましょう。

建設業界の繁忙期とは?

春からの新生活を間近に控えた3月は1年のうちで引っ越しが最も多くなり、引っ越し業界の繁忙期とされています。また、大型連休を利用して旅行する方が多い年末年始やゴールデンウィークは、旅行業界の繁忙期。そうした時期は、支払う料金が高くなります。

同じように、解体工事を請け負う建設業界にも繁忙期があります。一般的に、解体工事を含めた建設業全般が忙しくなるのは、12月から3月にかけての時期とされています。この時期は年度末に向けて公共工事が多くなるなどの事情から、通常の時期に比べて非常に忙しいのです。

繁忙期を迎えた建設・解体業界では、新しい工事を依頼するのも難しくなります。依頼できるとしても、作業担当者の休日出勤などが発生することから人件費も高騰、廃棄物の処分も空きのある遠方の処理場に頼まざるを得ず運搬費が高額になってしまうなどから、費用が高くなるのは覚悟しておかなければなりません。

解体工事を安くできる時期について

建設・解体業界にも、繁忙期があれば閑散期もあるものです。4月から新年度が始まることの多い日本では、12月から3月にかけての繁忙期を過ぎると建設工事や解体工事はひと段落。そのため、一般的に閑散期と呼ばれるタイミングになるのです。

この時期は解体工事を請け負う会社の人手にもゆとりがあり、会社としてはできるだけ工事を請け負いたいと考えます。そこで、解体業者が依頼を獲得するために行うのが「値引き」です。必ず値引きしてもらえるとは限りませんが、価格交渉のチャンスは生まれやすいといえます。

値引きがなかったとしても、閑散期であれば、前述のような「繁忙期ならではの“プラスアルファ”の費用」をかけずに依頼することも可能です。解体工事の費用を安く済ませようと考えるならば、閑散期を意識することはとても重要です。

業界は人員不足続き…

解体工事の費用と一緒に抑えておきたいのが、建設・解体業界の人手不足問題。

「そういっても、あちこちで工事しているのを見かけるけど…」と思った方、そのとおり、建設工事や解体工事の需要は年々高くなっています。

人員不足の背景

2011年の東日本大震災をはじめとするさまざまな大災害の発生で復興のための工事が求められていること、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い多くの施設建設が必要とされていることなどが挙げられます。

また、解体業界についても、高度成長期に建てられたビルや住宅などの建て替え需要が相次いでいることや、特定空き家の増加で空き家の解体をせまられる所有者が増えていることから、解体工事を行いたいと考えるニーズが高まり続けているのです。

そうした需要の増加に対して、建設・解体業界で働く人口は年々減っているのが実状です。負担の大きい仕事というイメージがつきまといがちな建設・解体業界には若い世代があまり入らなくなり、これまで働いていた人の離職も増えているからです。

こうした事情から、建設・解体業界では慢性的な人手不足が続いています。このことも、解体工事の費用に影響しています。

解体工事の値引きポイントと費用を高騰させないためのコツ

解体工事の費用について、価格交渉を行って値引きしてもらえる可能性を高めつつ、費用全体を高騰させないために最も重要なこと、それは、複数の会社から見積もりを取り寄せる「相見積もり」を依頼するということです。解体工事を請け負う会社3社前後に現地調査・見積もりを依頼しましょう。

複数の解体業者から見積もりを出していただくことで、比較検討することができますし、相場観もつかめます。そのなかで、極端に安い見積もりを出してくる会社があったら要注意。不法投棄などの不正によって費用を安くしているか、後に追加料金を請求されるといった可能性が考えられます。

さらに、スケジュールに余裕をもって動くということも大切です。時期を選べず急ぎの対応を余儀なくされることは、費用の高騰に直結します。スケジュールに余裕があれば、安く工事できる時期を選んで値引きしてもらうようなことも可能になります。

安く解体を行うなら余裕のある工期を

もう一つ、解体費用を安くおさえるために大切なポイントが「スケジュールに余裕をもって動く」ということです。スケジュールに余裕があれば、「安く工事できる時期」を選べる可能性が高まります。

当然忙しい繁忙期に物事を頼もうとすると、高くつきます。「絶対に来月までに解体を終わらせないとまずい!」となると、費用が高くなったとしても工事を発注せざるを得ませんよね。

工期は半年ぐらい見ておく

「半年以内をめどに解体が終われば、工事はいつでもいい」となれば、「3カ月後には暇になるから、その時期ならお安く工事を実施できますよ」という提案を受けられる余地が生まれるのです。

人手不足が続く解体業界では、ただでさえ人件費が高額になりがちですし、そもそも人手をおさえること自体が難しくなりつつあります。そのなかで依頼主側ができる最大限の準備が、スケジュールに余裕をもつことといえるでしょう。

廃棄物の処理も時期によっては高騰する

解体工事にかかる費用の大部分を占めるのは、解体工事で生じた廃棄物の処理費用です。したがって、解体費用を安くおさえようとするなら、廃棄物の処理費用を必要以上に増やさないことも重要です。

廃棄物を処分するためには、「廃棄物を分別する」「廃棄物を処分場へ運搬する」「処分場で処理する」といった仕事が発生しますが、それぞれに人手が必要となり、コストがかかります。

そのコスト、特に人件費は、解体業者や廃棄物処理業者が忙しい時期であればあるほど高額になります。つまり、廃棄物の処理費用も、時期の影響を大きく受けるというわけです。

解体工事の費用を安く済ませるために時期を選ぶならば、この点も念頭において検討する必要があるでしょう。

そのほか、建物に置いたままにしていた不用品を処分するなら、解体業者に頼むのではなく自分で自治体の粗大ごみに出すなどして処分するといった対応もしておくと、コストカット効果がさらに高まりますね。

おわりに

近年は、建て替え需要の増加に伴って解体工事の必要性が増えている反面、建設・解体業界の人手不足が深刻化しています。そうしたなかで繁忙期の料金が高くなりがちなのは、解体工事も例外ではないのです。値引きの成功率を高め、費用を少しでも安くおさえようと考えるならば、閑散期を選んで依頼することが大切です。

ただし、建設・解体業界の場合、繁忙期と閑散期がはっきりと分かれないこともあるといわれ、閑散期だと思っていたら実際にはそうでもなかったということもあり得ます。そのような可能性も考慮し、解体工事を行いたい時期に対して余裕をもって動きはじめることで、安く工事できる時期を選びやすくなるでしょう。


関連する記事