その光景は壮観!!ビル爆破解体の現状と解体「失敗」シーンまとめ


ダイナマイトが爆発するやいなや、まるで砂の城が崩れ落ちるかのように、轟音とともに高層ビルが消え去っていく……。

こうしたビルの爆破解体シーンは、大きな建築物が一瞬にしてその形を失う姿が壮観とあって動画サイトなどで人気を集めており、海外では多数の見物人が集まることも少なくないのだとか。

しかし実は、爆破解体作業は緻密な計算のもとで膨大な量の爆薬を扱う作業であり、計算通りに解体させることはそう簡単なことではありません。そのため、なかには爆破解体が失敗してしまうケースもあるのです。

今回は、そうしたビル爆破解体の日本における現状と、世界の代表的な「失敗」事例についてみていきましょう。

ビル爆破解体とは?

「爆破解体(ばくはかいたい)」とは、高層ビルや橋、煙突、スタジアムなどの大型の建築物を、ダイナマイトなどの爆薬を使用して爆破させ、一気に解体する工事のことを指します。「発破解体(はっぱかいたい)」などと呼ばれることも。

大きな建築物を人手や重機を使って解体するのは想像以上に大変で、実際に人件費がかかる長期の作業になってしまいます。爆破解体は、そうした多額の人件費をかけることなく、短時間で解体することが可能なのです。

日本のビル爆破解体の現状

日本で最初に爆破解体が行われたのは、1986年に実施された、国際科学技術博覧会の国際連合平和館の解体です。この建物は特殊な工法で建設されており、重機や鉄球破壊といった方法で解体すると危険であると判断されたため、爆破解体による解体が行われました。

しかし、現在テレビや動画サイトなどで見かける爆破解体の映像がほとんど海外のものである、ということからもわかるように、現在の日本では爆破解体が行われていません。

なぜならば、爆破解体では、周囲にがれきなどのさまざまなものが飛散する可能性があるからです。建物が密集している傾向にある日本では、そうした近隣への影響をふまえると爆破解体を実施できる建物が限られているのです。

加えて、火薬の取り扱いについても法律で厳しく定められているため、爆破解体ではなく通常の解体工事が行われることがほとんどなのだとか。

ちなみに日本で最後に爆破解体が実施されたのは、1992年に行われた琵琶湖畔の「木の岡レイクサイドビル」です。これは観光ホテルとして着工されたあと資金難から工事が中断され、解体費用がネックとなって20年以上にもわたって放置されていた建物でした。

その爆破解体当日には、現地におよそ4万人にものぼる観衆が訪れ、最寄り駅周辺を中心に大きな賑わいを見せたとされています。

海外のビル爆破解体失敗例

まず初めにご紹介するのは、2009年に中国で爆破解体が実施された、広西チワン族自治区柳州市の中心街にある22階建て、高さ66.4メートルの高層ビルの事例。

この事例では解体するべき体積が大きかったため、まず1つの高層ビルを2つに分け、その後それぞれを爆破していくという手法が取られました。

そして、2つに分けられた塔を同時に爆破解体するはずだったのですが……、結局解体に成功したのは2つのうち1つの塔のみだったというオチ。

当時中国では手抜き工事が問題視されていましたが、この爆破失敗は「中国では珍しく、手抜き工事ではないビルだった」と受け止められたとのことです。

そして次にご紹介するのは、2015年にイギリス・グラスゴーで爆破解体が実施された、1969年建設の31階建て高層団地。本当ならば、建物の中層部から下層部を爆破すると、建物はその自重で連鎖的に破壊されていくはず。

ところが、この爆破では、その破壊が途中で止まってしまい、建物の上半分が残ってしまったのです。

最後にお伝えするトルコでの“失敗”事例は、ビルの上部がまるででんぐり返ししたかのように回転してしまったもの。

解体のための爆破が予期された場所よりも手前で起こってしまったため、ビルへと中途半端に穴があき、そのまま回転しながら倒壊してしまったということだとか……。

海外では、現在でも爆破解体の手法をとるビル解体が度々あり、動画サイトにも多数のビル爆破解体映像がアップロードされています。興味のある方は、ぜひさまざまな動画を見てみてくださいね。

おわりに

広大な景色を背景に大きな建造物が一瞬にして解体するビルの爆破解体、その風景は壮観そのもの。日本ではお目にかかれないダイナミックな光景です。その迫力見たさに解体現場には多くの人が訪れる……というのも、なんだか頷けてしまいますね。

しかし、実際に爆破解体を成功させるには、建物の構造をうまく利用してきれいに解体させるための緻密な計算が必要です。決して簡単ではないビルの爆破解体は、時としては失敗してしまうことも。

インターネットでは、そうしたさまざまな“失敗”事例も見ることができます。本当ならばこのような動画が増えることは望ましくないのですが、どこかコミカルに見えてしまうのはどうしてなのでしょうかね(笑)


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