地震が多い今だからこそ知っておきたい、震災後の解体工事と罹災証明書について


  • 罹災証明書とは?
  • 解体工事で罹災証明書が必要になるのは?

本稿では、震災後の解体工事と罹災証明書の疑問にお答えしていきます!

日本に住んでいると、残念ながら地震や台風といった自然災害の被害に遭ってしまうことがあります。自然災害以外にも火事の被害を受けてしまうこともあるでしょう。そのような場合のショックははかりしれませんが、生活再建に向けて速やかに動き出さなければなりません。

その過程で、地震や火災などの被害を受けた住宅を解体する必要に迫られることがあります。そうした場合の解体工事に必要となるのが「罹災証明書」です。罹災証明書を取得して行う解体工事は、生活再建のための支援として費用の減免を受けられる制度もあります。

解体工事と罹災証明書の関係とは?

罹災証明書と解体工事の関係をまとめると以下の通りです。

  • 罹災証明書とは災害による被害の程度を証明する書類のこと
  • 地震などの災害による解体工事には罹災証明が必要になる

地震を始めとする自然災害によって住宅を解体しなくてはならなくなった場合、国から費用の減免を受けられます。その際に必要になってくるのが罹災証明書です。ポイントをまずは確認していきましょう!

罹災証明書とは災害による被害の程度を証明する書類のこと

「罹災(りさい)証明書」とは、地震や台風、津波といった自然災害や、火事などの災害によって住宅が損壊の被害を受けてしまった場合にその被害の程度を自治体が認定・証明する書類です。罹災証明書の発行は自然災害の場合には自治体が行い、火災の場合には消防署が行います。

罹災証明書が証明する被害の程度は、次の基準に応じて証明されます。

一部損壊

住居の一部が損害を受けたものの、損害内容が軽微(「半壊」に至らない程度)で補修すべきと考えられる場合。住居の20%未満が損壊・焼失・流出などの損害を受けた場合。

半壊

住居の一部が損壊・焼失・流出などの被害を受けたが、修理すれば住める場合。住居の20%以上40%未満が損壊・焼失・流出などの損害を受けた場合。

大規模半壊

住居の一部が損壊・焼失・流出などの被害を受けたが、修理すれば住める場合。「半壊」以上の被害を受けており、修理費用が高くなる場合。住居の40%以上50%未満が損壊・焼失・流出などの損害を受けた場合。

全壊

住居全体が損壊・焼失・流出などしてしまい、補修しても二度と住めない場合。住居の50%以上が損壊・焼失・流出などの損害を受けた場合。

なお罹災証明書と似た名前の「被災証明書」という書類も存在します。罹災証明書は災害によって住宅が被害を受けたこととその程度を証明するものですが、被災証明書は災害によって人が被害を受けた事実を証明するものです。自動車や家財といった動産が災害で被害に遭った場合は、罹災証明書ではなく被災証明書で被害を証明できます。

地震などの災害による解体工事には罹災証明が必要になる

こうした災害による被害で住宅を解体せざるを得ない場合は、基本的に罹災証明書が必要になると考えておいたほうがいいでしょう。

罹災に伴う解体工事と通常の解体工事では解体工事で出た廃棄物を処分するための手続きが異なるため、解体工事を依頼するために罹災証明書が必要となることがあります。また罹災証明書の発行を受けて解体工事を行うことで、保険金をはじめとするさまざまな支援を受けることが可能になりますので知っておくと良いでしょう。

たとえば大規模な地震で住宅が半壊以上の被害を受けた場合、自治体の補助を受けて住宅の解体工事を進めることができます。この「公費解体」の補助を受けるためには、住宅が被害を受けたこととその被害の程度を証明する必要があるのです。そこで罹災証明書が使われます。

火事が起きて燃えてしまった住宅も解体が必要となりますが、火災に伴う解体工事は通常の解体工事に比べてがれきなどの廃材が多くなり、通常の廃棄物処分とは異なる対応が必要になります。そのため廃棄物処分の費用が高くなるのです。その際、罹災証明書があれば、処分費用が減免されることがあります。

震災後の住居解体工事までの流れ

では、罹災証明書を使って震災後に住居を解体する場合のポイントや流れを確認しておきましょう。

罹災証明書を申請する

まずは、地震による被害によって解体が必要になったことを証明してもらうために「罹災証明書」の申請をします。申請の窓口は市町村役場です。申請には、身分証明書と被害状況のわかる写真が必要です。申請には期限があり、災害発生から6か月以内に申込をしなくてはなりません。

発行申請をすると、調査員による被害状況の調査が行われます。ただし、大規模な地震があったときなどは、多くの方が罹災証明書を申請するため、調査員の到着が遅くなることもあります。

地震発生から日が経てば、自分たちで瓦礫を除去したり直せる部分は直したりすることもあるでしょう。そうなると、調査員が被害状況の確認に来た時に、地震によって受けた被害よりも低い評価がなされてしまう可能性があるので注意しましょう。

自分たちで片づけをしたり補修をしたりしてしまう前に、ひどい状況の写真を複数枚撮っておきましょう。その後、被害状況が確認されれば、罹災証明書が発行されます。

助成金を使って解体できるかを自治体に確認

罹災証明書が発行されたのであれば、助成金を使って解体ができるかを自治体に確認するようにします。実は、地震によって解体が必要になったとしても助成金が受けられないこともあるのです!

大規模な地震であれば必ず公費による解体制度が立ち上がります。一方で、家屋の倒壊と地震との間に因果関係なし、と判断された場合は公費による解体ができません。たとえば、地震の揺れが弱く、ほとんどの住居が倒壊していない中で、あなたの家だけが倒壊した場合は、その家が老朽化などの問題があったとみなされて自己負担で解体をしなくてはならないのです。

まずは、公費で解体してもらえるか自治体にしっかり確認を取りましょう。

申請が通れば公費で解体が始まる!

建物の倒壊や損傷が、老朽化などではなく地震によるものとみなされた場合、助成金を使って解体が可能になります。ただし、公費による解体は申請者の都合の良い時に解体をしてもらえないという点には注意が必要といえます。

公費による解体は「二次災害」が起きる可能性がある危険度の高い建物を優先して壊していくのです。ですから、少し順番を待たないといけない可能性もあります。せめて同程度の危険度の建物の中では、早い順番で解体がしてもらえるように、早目に書類申請をしておくのが大切なのです!

廃棄物処理手数料の減免制度

火事などの災害の被害にあった住宅を解体する際、解体工事そのものだけでなく、解体工事で出た廃棄物の処理費用を減免してもらえる制度も存在しています。解体工事で出た廃材やがれき、ごみなどの廃棄物を自治体の廃棄物処理施設に持ち込んで処分するには処分費用がかかります。廃棄物処理手数料の減免制度の対象となれば、その費用を減額してもらえたり、費用の補助を受けることができるのです。

この制度は被災者の経済的ダメージを軽減するためのもので、どのくらい費用を減額・補助してくれるのかといったことは自治体が決定するためそれぞれ異なります。詳しくは、自治体に確認しましょう。

おわりに 罹災証明書は複数枚取得しておこう

罹災証明書は、火災保険の保険金を請求する際にも必要です。解体後では保険金が受け取れないこともありますので、火災保険に加入している方が火事による被害を受けたら、まずは消防署で罹災証明書を取得して保険会社に連絡するようにしましょう。

そのほかにも、さまざまな支援を受けたり手続きを行うなかで罹災証明書が必要になる場面が多々あります。スムーズに手続きを進められるよう、罹災証明書はあらかじめ複数枚取得しておくと安心です。


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