10倍得するかも!? 解体業者選びで「相見積もり」が重要な理由について


解体工事には、統一された一つの価格というものはありません。「相場」と呼ばれる目安になる費用感はありますが、料金の設定は施工会社によって異なりますし、同じ言葉で呼ばれる作業でもそこに含まれるサービス内容が異なることもあります。

そこで重要になるのが、解体工事の施工会社から「相見積もり」をとるというプロセスです。提供を受けるサービスやその料金に納得し、信頼して工事をまかせられるようにするためには、相見積もりの取得を通じてさまざまな情報を得る必要があります。相見積もりでどのようなことがわかるのでしょうか。

相見積もりとは? 適正価格を知って損を防ぐ

「相見積もり(あいみつもり)」とは、ある作業や商品の料金を見積もってもらう際、複数の会社に価格の見積もりを依頼することを指します。「合見積もり」と表記されることや、「あいみつ」と呼ばれることもあります。

解体工事の相見積もりを複数の施工会社に依頼すると、同じ建物の解体工事であるにもかかわらず、見積もりの項目や単価、工事総額に至るまでさまざまな違いがあることがわかります。複数の会社に見積もりを依頼することで、比較検討が可能になるのです。

かといって、あまり多くの会社に相見積もりを依頼してもその内容を検討するのが大変になり、かえって悪影響につながってしまう懸念も生じます。ですので、現実的には候補を3社程度に絞って相見積もりを依頼するのが適切だと考えられます。

相見積もりからわかること

相見積もりでまずわかるのは、工事にかかる費用と、各社が提供するサービスの内容です。解体工事にどのような作業があり、それらにいくらかかって、総額でいくらくらいになるのかということが明確になります。

とはいえ、見積もりの書類だけではそれらをパッと理解できないことも少なくありません。書かれている項目ではどのような作業を行ってもらえるのか、含まれていない作業は何なのか、きちんと説明を受けて明らかにしましょう。

そうして説明を受けることで、工事についての理解を深めることにつながっていきます。そうなれば、各社との交渉もスムーズになりますし、その後の工事も業者まかせにせず適切な監督を行うことができるようになります。

そして、これらのやりとりを進めることによって、各社の誠実さや信頼性を見極めることができるでしょう。費用が異様に安すぎたり著しく高額である会社はもちろん、説明を怠ったり見積もりが不正確であるような会社は信頼できるとはいいがたいものです。

見積書の内訳

見積もりの内容を正しく理解し、その金額が適正なものかどうかを判断するためには、解体工事にどのような費用がかかり、それがどのような項目として見積書に記載されるのかということを知っておく必要があります。

なお、前述のとおり解体工事の費用には統一基準がなく、費用の内訳なども解体業者によってまちまちですが、ここでは一般的な解体工事で発生する費用の内訳を理解しておきましょう。

<仮設工事費用>
解体工事を行うための事前準備にかかる費用です。具体的には、工事のための「足場設置」、ごみや埃が外に舞い散らないように行う「養生」「散水設備の設置」、解体に使う重機を運搬する「重機回送」などがあります。

<家屋の解体工事費用>
建物の解体工事にかかる費用です。建物の内部の造作物などを人手で解体する「内部解体」、建物自体を重機で取り壊す「外部解体」などに分けられることがあります。

<家屋以外の解体・撤去費用>
建物以外のブロック塀やカーポート、樹木や庭石、照らすやウッドデッキなどを解体・撤去する場合の費用です。こうした作業は「付帯工事」と呼ばれます。

<廃材処分・運搬費用>
解体工事で生じた産業廃棄物(廃材)を、専用のトラックで処分場まで運搬し、処分する際の費用です。建物に残っていた不用品の処分を解体業者に依頼する場合、その処分費用も含まれます。

<その他の費用>
ガードマンの配置など安全確保にかかる費用、電気・ガス・水道の撤去費用、樹木の伐採や草刈りの費用、作業用車両の駐車にかかる費用や、リサイクル法の届出、諸官庁への手続きにかかる費用などです。

見積書の正しい見方

見積書を受け取ったら最初に確認しておきたいのが、「依頼する作業が全部見積もりに反映されているか」ということです。見積もりから漏れている作業があれば、作業をしてもらえないか、追加費用を請求される可能性が高まります。

見落とされがちなのが、「解体工事後の整地をどこまで行うか」が定まっていないケースです。見積もりに整地費用が含まれているかどうか、その費用でどこまでの整地を行ってもらえるのか、あとで困らないよう、忘れずに確認を。

次は、見積もられている金額の比率を見てみましょう。解体費用のなかで人件費の占める割合が大きいのはもちろんですが、同様に大きな割合を占めるのが<廃材処分・運搬費用>で、平均して全体の3割から4割になるといわれています。

この部分の金額が明らかに安すぎる見積もりは、その解体業者が不法投棄などの不正によって費用を安くおさめようとしているかもしれません。そのほか、仮設工事の養生費用や重機運搬費用も意外と大きいです。

見積もり依頼時に確認をする

相見積もりは、依頼主にとってはメリットが多く、いまでは一般的に行われています。解体工事を実施する依頼主のおよそ90%は、複数の解体業者に見積もりを依頼して条件の比較をしているというデータもあるほどです。

それでも、ほかの会社との条件競争になることが明確である相見積もりは、解体工事を請け負う会社にとっては好ましいものではありません。その気持ちを感じ取って、「相見積もりは申し訳ないことなのではないか」と遠慮する施主もいらっしゃるでしょう。

しかし、相見積もりを依頼するのは決して悪いことではありませんし、多くの会社は依頼主の心情を汲み取って、相見積もりに理解を示して対応してくれます。

そこで依頼主として行うべきなのは、見積もりを依頼する段階で「相見積もりをお願いすること」をきちんと誠実に伝えておくこと。その結果、相見積もりを断る会社があれば「今回は縁がなかった」とし、相見積もりを承諾してくれた会社には気兼ねなく質問しましょう。

こんな見積もりには注意を!

まず、見積もりの金額を工事の内容ごとに分けず、「解体工事一式 ○円」などのように記載する業者には注意してかかる必要があります。

このかたちの見積もりでは、どのような工事をしてもらえるのか、それぞれにいくらかかるのかということがまったくわかりませんよね。そうした見積もりでは不安が大きく、業者を信頼して工事を頼む気持ちになれないでしょう。

内訳は書かれているもののわかりにくい見積書を出す解体業者や、質問してもていねいに答えてくれない解体業者も、その営業姿勢に疑問が生じます。

また、解体工事では、工事を進めていくなかで地中から井戸やコンクリートなどの埋設物が見つかることがあり、それを悪用した不当な追加請求を行う悪徳業者も存在します。地中埋設物の対応について見積書に記載がない場合は、確認してはっきりさせておきましょう。

おわりに

相見積もりは、解体工事の依頼に際していい条件を引き出すだけでなく、その会社の対応内容や誠実性を見極めるうえで非常に重要なプロセスです。会社側も、この時代に比較検討するのは当然の行為であると認識しています。

そのうえで、相見積もりをスムーズに進めるためには、施工会社同士が見積もりに訪れた現場ではちあわせてしまったり、依頼主側の対応が雑になってしまったりすることのないよう、依頼主側も誠実に対応することが求められます。

また、見積もりが示すのは費用だけではないと理解して、見積もりを材料に値下げ交渉を必要以上にあおるのも避けたほうがいいでしょう。


関連する記事