借地権付土地にお住まいの方へ! 解体前に知っておきたい3つのポイント
解体工事を依頼するなら!読んでおきたいお役立つコンテンツ
マイホームに一戸建てを望むご家庭は少なくありません。戸建て住宅を建てるには土地が必要です。もともと所有していた土地や、自分で買った土地に家を建てるケースもあれば、ほかの人から土地を借りてその土地にマイホームを建てる場合もあるでしょう。
後者の場合、土地の権利は自分のものではなく、「借地権」の存在が常につきまとうことになります。借地権付きの土地に建物を建てて住んでいる方は、家を解体して土地を更地にし、返還しなくてはいけないことも出てくるのです。そのような事態に備えて、借地権について理解しておきましょう。
借地権についてきちんと理解しよう!
「借地権」とは、土地を借りたい借地人が第三者(地主)の土地を借りて使用する権利のことを指します。厳密には、さらに「地上権(物権)」と「賃借権(債権)」がありますが、実際には「賃借権(債権)」としての借地権が設定されているケースが大半です。
借地人は、地代を支払う代わりにその土地を使って住む権利を得ます。建物自体は自分が建てたものですから、自分に所有権があります。一方で、土地の所有者は地主であるため、建物の増改築や名義変更、譲渡や売却の際にも地主の承諾が必要となります。
土地のオーナーである地主と、土地を借りる借地人を比べると、地主のほうが立場が強いように思われます。しかし、借地人は地代を払い続ける限りはその土地を使うことができますし、地主は正当な理由がなければ契約を終了させることができません。
トラブル回避のために借地返還を行う前の心得
借地人は、地主と契約を結んで借地権を得ます。この契約期間は「借地法」で最低30年以上とされ、更新する場合も1回目は20年以上、2回目でも10年以上の契約期間で自動的に契約更新が可能となる状態でした。そのため、借地人の権利が非常に強かったのです。
しかし、1992年の改正で「借地借家法」という法律に変わると、地主の権利にも配慮がなされ、契約期間は最低30年以上ではあるものの地主が任意の期間を決められるようになりました。加えて、一定期間後には借地人が土地を返還するようになったのです。
そのため、借地人にとっては、いつかは借地を地主に返還する必要が生じることになります。地主が建物の買い取りを受け入れてくれれば問題ありませんが、更地の状態で借地返還する場合は自宅を解体しなければなりませんし、解体工事の費用も借地人の負担となります。
この点は、契約書の取り決めをベースに地主とよく話し合い、人間関係をキープしながら交渉することで、トラブルを回避する必要があります。
解体が決まったら…業者選びは慎重に!
借りていた土地を更地にして返還することが決まったら、自宅を解体することになります。住居の解体工事を行うには、解体工事を請け負う会社(解体業者)を選定して契約を結び、工事を依頼します。
解体業者は数多く存在しますが、なかにはいい加減な見積もりで高額な費用を請求する業者や、工事の対応がずさんな業者、廃棄物を不法投棄して費用を安く抑えようとする業者などもあります。
解体工事を無事終え、トラブルを起こすことなく地主に土地を返還するには、解体業者選びは慎重に行うようにしましょう。そのためには、複数の解体業者に見積もりを依頼し、相見積もりとして金額や対応を比較するのがいいでしょう。
その際に確認しておきたいのが、解体工事後の整地対応です。解体工事が終わったあとの土地は表面がでこぼこになっているため、土を平らにならして重機で固める必要があるのです。そこまできちんと行ってもらえるかどうか、忘れずに確認しましょう。
おわりに
借地返還に至る方は、その土地に長年住んでいたというケースが多いでしょう。住み慣れた家を解体して土地を返還するには、さまざまな思いが去来するはずです。同時に、費用や手間の負担も大きくなりがちです。
そうしたなかで、地主や解体業者とトラブルを起こすことなく、無事に借地返還を終えるためには、借地権と解体工事についてきちんと理解することと、地主や解体業者とのコミュニケーションを密にとることが大切になります。