解体工事後の「整地」とは?「更地」との違いやメリットデメリットを解説
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長いこと使っていなかった空き家など、建物を解体しようと考える場合、まずは解体を請け負う会社に見積もりを依頼するケースが多いでしょう。
その見積もりの中に、「整地」という言葉が出てくることがあります。この「整地」というのは、どういう工程を指すものなのでしょうか。
また、解体後の土地は、売却したり、あるいは賃貸物件や駐車場を設けて経営したりと、さまざまな活用の選択肢がありますが、解体工事を終えたあとの土地の整地の状況はそうした活用に大きく影響することになります。
建物解体後の土地を最大限活用するために、整地について正しく理解しておきましょう。
整地とは?
辞書によれば、「整地(せいち)」とは「建築・耕作などに適するように、土地を平らにならすこと(三省堂大辞林)」とあります。
そして解体工事に伴う見積もりなどで出てくる「整地」は、解体工事を終えたあとの土地からコンクリートや石、木材などのがれきといわれるものを取り除き、重機を用いて土地に圧力をかけて踏み固める「粗整地(あらせいち)」を指すことが大半です。
また、依頼主の希望やその後の用途に応じて、さらに地盤の高さを調節したり、真砂土(まさど)などの化粧砂や砕石(さいせき)を敷いたりするなどの対応を行うケースもあります。
「整地」ではどのようなものを取り除き、どのような作業を行うべきかということについては法律などの決まりがなく、どこまでの作業を「整地」とするかはケースバイケースです。
そのため、解体事業者に解体工事から整地までを依頼する契約を結ぶとしても、その「整地」でどこまで作業してもらえるのかは会社によって異なり、トラブルに繋がりがちなのです。
そして、費用面でも「整地」の作業内容によってかかる費用は異なります。作業内容や費用について行き違いが生じないようにするために、どこまで「整地」してもらえるのか、その「整地」にいくらかかるのかということを契約前にきちんと確認しておきましょう。
整地と更地の違い
「整地」と字面が似た言葉に、「更地(さらち)」というものもあります。「更地」とは、「手が加えられていない土地。何の用途にもあてられていない土地。または、建築物などがなく、宅地として使うことができる土地(三省堂大辞林)」を指します。
土地の上に建物などがないのは整地後の土地も更地も同じですが、更地はがれきを取り除いて土地を踏み固めるというプロセスを経ていないため、地面には石が散乱していたり表面がでこぼこしていたり、雑草が生えているといったことが往々にしてあります。
そしてもちろん、更地の状態のままでは建築物を建てたりすることはできず、建物などを建てるには整地が必要ということになるでしょう。
整地すれば土地が売れやすくなる
ということで前述のとおり、土地は更地の状態ではすぐには使うことができません。加えて、石が転がっていたり雑草が生えていたりする状態では、見た目の印象もいいものにはなりづらいでしょう。
対して、整地した土地は、家を建てるにしても畑にするにしても使いやすく、きれいにならされた土地はぱっと見いい印象につながります。
したがって、整地した土地のほうが、買い手も見つけやすく、売却価格も高めに設定しやすくなるのです。解体工事後の土地を売りたいと考えるのであれば、この点は大きなメリットとなるでしょう。
加えて、粗整地を行った土地に化粧砂や砂利などを敷いておくと、見た目の印象がさらにアップします。砂利を敷いておくのは、雨で地面がゆるんだり雑草が生えてしまったりすることの予防にもなります。
また、砕石(さいせき)などを敷いておくことで、駐車場としてもすぐに使いやすいとアピールできるのではないでしょうか。
おわりに
まっさらな地面が広がっている土地は、家を建てたり畑を作ったり、さまざまな活用イメージが広がります。それは、土地を売りやすくするということに直結します。
土地の売却を考える場合は、解体工事と合わせて整地の対応を検討するのが望ましいといえるでしょう。
しかし、せっかく整地を依頼しても、希望するような整地がなされていなければ追加作業が必要になり、その分費用もかさんでしまいます。
そうならないために、解体工事と整地を依頼する場合はどの程度の整地をしてもらえるのか、そのためにいくらかかるのかということを必ず確認しておくべきです。
具体的に整地に対する希望があれば、事前に伝えたうえで見積もりをしてもらうと安心ですね。