アスベスト使用が発覚! アスベスト解体にかかる費用と補助金制度について

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天然の鉱物繊維であるアスベスト(石綿)は、耐熱性、耐久性、吸音性などのすぐれた性質をそなえながら安価ということで、かつては建設資材を中心とするさまざまな工業製品に活用されてきました。しかし、そのアスベストに潜む深刻な危険性が発覚すると使用が規制されるようになり、今では使用が実質的に全面禁止されるに至っています。

それでも、アスベストが多く用いられていたころに建設された建物では、アスベストを含む建材が今も使われたままになっていることが少なくありません。そのアスベストの除去や建物の解体には少なからず費用がかかりますが、そこで心強い味方になり得るのが補助金制度の存在です。

アスベスト解体における補助金制度について

建物にアスベストが使われているかどうかを判断するには、建築年が一定の目安になるといわれます。とはいえ、そうした情報や見た目、書類などでは判断しきれないことも多く、最終的に正確に判定するには専門の調査期間による分析調査が必要です。

分析調査は有料ですが、その調査に対して国が補助制度を設けています。具体的には、建物に使われている吹き付け材にアスベストが含まれている可能性がある場合、その調査を実施する際にその費用を補助するというものです(限度額あり)。

建物にアスベストが含まれていると判明した場合、そのアスベストを除去する必要があります。その除去作業についても補助金制度があります。これは、建物の吹き付け材などに含まれるアスベストに対して除去・囲い込み・封じ込め作業を行う場合に、その費用の3分の2以内で補助を受けることができます。

ただし、これらの補助金は、管轄の地方公共団体によっては制度の有無や内容が異なります。実施の前に、まずは自治体に相談してみましょう。

アスベストの解体費用とは?

建物に使われている建築資材にアスベストが含まれているとわかったら、何らかの対策を講じる必要があります。対策としては、アスベストの使用箇所に対してアスベストの除去・囲い込み・封じ込めなどを行ってアスベストの飛散を防止するというものと、建物自体を解体するという方法がありますが、いずれの場合にも安くない費用がかかることになります。

アスベスト除去の費用は、施工場所の立地や周囲の環境、アスベストの使用状況などによってかなり開きがあるため、ケースバイケースというのが実状です。建物を解体する場合には費用はさらに多額になり、その費用感も状況によって異なります。

一般的な2階建て住宅におけるアスベスト除去費用の目安としては、天井、柱、梁などに吹き付けられている場合は1平方メートルあたり2万から8万円程度、断熱材・保温材・耐火被覆材などに使われている場合は同1万円から5万円ほど、外壁材に使われているアスベストは30万円台とされています。

アスベストの撤去については専門業者へ相談すべき

アスベストの除去や建物の解体には費用がかかりますし、どこに依頼すればいいかわからないということもあるでしょう。そうしたことを調べる時間がないという方もおられるかもしれません。だからといって自分で取り除いてしまおうと考えるのは危険です。

アスベストの危険性は非常に深刻なものです。処理方法を間違えれば、自分自身はもちろん、近隣の住宅や地域の方にまで被害が及んでしまう可能性すらあります。

そして、その危険なアスベストを扱う際のルールも、建築基準法や大気汚染防止法などの複数の法律で定められています。アスベストを安全に扱うためには、高度の知識と入念な準備が求められるのです。

アスベストの撤去を考えたら、必ず専門の施工会社に相談しましょう。複数の専門業者に見積もり依頼を兼ねて相談することで、信頼できる会社を見つけることができるでしょう。

おわりに

もしお住まいの家にアスベストが使われているとわかったら、何はともあれ放置せずに何らかの対策を考えましょう。アスベストの使用状況によってはただちに危険が及ぶことは考えにくいケースもありますが、吹き付けアスベストのように飛散しやすい状態であればリスクは高まります。

どこから手をつけていいか悩んだら、補助金制度の確認も含めて自治体に相談してみるという選択肢もあります。大切な家、そこに住む自分や家族、近隣にお住まいの方々などに危険を及ぼすことのないよう、対策を講じておきましょう。

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