【解体工事の教科書】失敗しない解体工事のポイント~後編~
解体工事を依頼するなら!読んでおきたいお役立つコンテンツ
解体工事を成功させるのも失敗させるのも、解体工事を依頼する施工会社(解体業者)選びにかかっているといっても過言ではありません。解体工事の流れを一通り理解し、解体工事に関する情報収集を行っておくことで、信頼できる解体業者を選びやすくなります。
前編では、解体工事を成功させる鍵は情報収集であること、解体工事で失敗しないために先人の失敗事例を参考にすることなどをご紹介してきました。後編ではより具体的に、解体工事を行うにあたってチェックしておきたいこと、信頼できる解体工事会社に依頼するためのポイントなどをみていきます。
解体工事でチェックしておきたい事項
解体工事を依頼するにあたって明確にしておきたいのが、依頼する作業の範囲です。「住宅全体を解体する工事であれば作業範囲も何もないのではないか」と思うかもしれませんが、家のなかの不用品の処分を自分で行うのか解体業者に依頼するのかといった点は意外と見落としがちです。
隣接する住宅との境界が明らかになっていないというのもありがちです。ブロック塀の解体などが関連する解体工事では特に、境界の確定が重要になります。図面や登記簿謄本などの書類も可能な限りそろえるなど、情報を用意しておきましょう。
解体業者の選定に際しては、「マニフェスト」を必ず確認すること。これは、解体工事の際に発生した廃棄物を法律にのっとって適切に処理したという記録です。工事終了後にきちんと提出してもらえるかどうかを確認して、信頼できる業者を見つけましょう。
失敗をしない解体工事10個のチェックポイント
解体工事の実務の大半は解体業者に依頼することになりますが、失敗なく安心して解体工事を終えるためには依頼主自身がその遂行状況をチェックすることが肝心です。ここでは、代表的なチェックポイントを一部ですがご紹介します。
(1)解体工事の着工前、ライフラインの停止や各種届け出を行った
(2)解体工事の着工前、近隣の住民の方々へのご挨拶にうかがった
(3)工事実施中、騒音や粉塵を防止するための養生と散水を行ったうえで作業を行っている
(4)工事実施中、必要な情報の掲示を行っている
(5)工事実施中、近隣の住民の方々に迷惑がかかっていないか確認しながら作業を進めている
(6)工事実施中、現場と道路の清掃を適宜行っている
(7)工事完了後、契約した作業がきちんと行われていることを確認した
(8)工事完了後、敷地内や近隣に損傷がないことを確認した
(9)工事完了後、マニフェストを受け取った
(10)工事完了後、建物滅失登記の必要書類を手配し申請を行った
解体工事に成功した方の例
ここからは、無事解体工事を終えた方々が実施した“成功ポイント”のなかから、代表的な事例を3つご紹介します。
Dさんは、解体業者を選定するにあたって複数の会社に相見積もりであることもあらかじめ伝えて現地調査・見積もりを依頼しました。見積もりは書面で受け取り、書かれている項目の一つ一つについて作業内容と金額を確認。わからないことは徹底的に質問しました。
見積もりは1社だけではなく複数の会社に相見積もりをとること、言った言わないのトラブルを避けるために必ず書面で受け取ること、納得できるまできちんと内容を確認することといった点が成功ポイントです。
Eさんは解体工事を終えたい期日から逆算し、少し早めに動くことにしました。解体業者との契約に際しては確認事項も多く、思いのほか時間がかかりましたが、早めに動いていたために事なきを得ました。
スケジュールに余裕がないと、解体業者の選択肢も減ってしまいますし費用も高額になりがちです。さらに、解体工事自体の安全に影響してしまうことも。そうならないよう、スケジュールに余裕をもって動くようにしましょう。
Fさんは、解体工事の前にご近所の方々にご挨拶回りを行いました。ご挨拶に際しては工事内容を説明する書面を用意し、当日は解体業者の担当者が同行。工事の内容を書面と口頭できちんと伝えて不安を解消してもらい、ご迷惑をかけることのお詫びを伝えました。
解体工事では、騒音や振動などで多少なりとも近隣の方々に迷惑をかけることになりますし、周囲の方にとっては安全に対する不安もあるでしょう。事前にきちんとご挨拶することで不安が解消され、お互いに気持ちよく工事を進めることができるようになります。
おわりに
解体工事を依頼する自分自身が解体工事に関する知識をもつことで、信頼できる解体業者を選び、依頼から工事終了後の手続きまでをスムーズに進めることができるようになります。
そうなれば、解体工事は決してこわいものではありません。わからないことが出てきたら解体業者や専門家などに質問することで、知識はより深まり、工事の成功率もさらに上げることができるでしょう。