【解体工事の教科書】失敗しない解体工事のポイント~前編~

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解体工事を依頼するという経験は、多くの方にとっては一生にそう何度もあるものではありません。解体工事を依頼する際には知識も経験もほとんどないというケースが大半で、何をしたらいいかわからないことも多いでしょう。

「解体工事会社に頼めばいいのでは?」と思っていても、解体工事を請け負う会社は世の中に数多く存在しており、どこに依頼すればいいか迷ってしまうことも……。解体工事を無事に行うためには、おさえておくべきポイントがあります。今回は、解体工事で失敗しないためのポイントを前後編にわたってご紹介します。

解体工事は情報収集が鍵!

解体工事を依頼するにあたってあらかじめ行っておきたいのが、解体工事に関する情報収集を行い、その基本的な流れをきちんと理解しておくことです。

解体工事の成否を分ける大きな要素の一つが「解体工事を依頼する施工会社の選定」ですが、知識がなければ信頼できる会社を選ぶことができないばかりか、悪質な施工会社に法外な金額を請求されてしまうといったことも考えられます。

加えて、解体工事に関する理解を深めることで、「ここを自分でやれば費用を少し安くできるのか」「この地域の自治体からは解体工事に補助金を受けられるんだ」といったことも知ることができます。

失敗者から学ぼう。解体工事で失敗した例3つ

解体工事を依頼する前に一読して参考にしたいのが、過去に解体工事を依頼したものの残念ながら失敗してしまった事例です。さまざまな“先輩”の失敗例から、ここでは3つをご紹介します。

見積もりに関する失敗例

Aさんは、インターネットで検索して見つけた解体業者に見積もりを依頼したところ、「この工事だといつもは○万円かかるのですが、今回は特別に△万円でやらせてもらいます」と口頭で言われて、その場で即決。解体工事は無事終わったものの、あとからその金額が法外な値段であったことがわかったそうです。

そのほかにも、「見積もりを口頭で聞いたら、あとから言った・言わないのトラブルになった」「高い見積もりだと思ったが、断り切れずそのまま承諾してしまった」といった事例も散見されます。

解体業者に関する失敗例

Bさんは予算が少なかったため、とにかく費用の見積もりが安い業者に解体工事を依頼することにしました。すると、その業者の対応はとてもいい加減なもので、法的なルールを守っているのかもあやしく、近隣の住宅からもクレームが入ってしまったとのこと。

解体業者の選定に関しては、「高いと思ったが、知り合いに紹介されて断り切れずに契約してしまった」「ハウスメーカーから紹介を受けた解体業者にそのまま依頼したが、自分で個別に依頼できるとは知らなかった」といった失敗例もあります。

依頼に関する失敗例

Cさんは空き家の解体をしなければと思っていたもののなんとなくそのままにしていたところ、さまざまな事情で急遽解体の必要に迫られました。時間に猶予のない状態では依頼できる解体業者が限られ、金額や信頼性で十分に選ぶことができなかったそうです。

解体工事は常識外れ!? 業者の常識を知る

住宅を建て替えるようなケースでは、建て替え前の解体工事もハウスメーカーや工務店に一括で依頼するのが一般的と考えたり、解体業者につてがあり自分も顔見知りであるハウスメーカーの担当者に頼むほうが安心できると考えたりするのかもしれません。

しかし、ハウスメーカーや工務店は建物を建築するプロではありますが解体工事のプロではありませんので、安心できるとは限りません。依頼主と解体業者の間に中間業者が存在することで、費用が高くつくこともあります。

また、解体工事の前にはご近所挨拶は欠かせませんが、これも依頼主からすれば「解体業者が対応してくれるはず」と思っていると、実際にはそうではなく、あとでトラブルを引き起こしてしまうといったことも。依頼主と解体業者の“常識”にはギャップがあることもあるのです。

おわりに

相見積もりをとらなかった、業者選びに失敗した、“常識”を読み違えた——。解体工事が失敗してしまう背景に共通して存在するのは、解体工事に関する情報収集が十分でなかったということでしょう。

そうならないよう、まずは解体工事のことをよく知るのが、解体工事を成功へ導く第一歩となります。後編では、進めていく際のポイントを具体的にご紹介します。

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