解体屋さんの魅力を伝えます! 解体屋さんの面白さと「鳶職人」との違いについて

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多くの人にとって、解体工事を実際に依頼する機会は人生にそう何度もありません。そうした方々からみると、住宅から高層ビルまでさまざまな建物の解体工事を手がける解体工の仕事は、実のところよくわからないということも多いのではないでしょうか。

漠然としたイメージのなかで、なかには、解体工と鳶職人が同じ仕事であると誤解しているというケースもあるようです。そんな“解体屋さん”の仕事の魅力とつらさ、鳶職人との違いについて、みていきましょう。

解体工の魅力と面白さについて

解体工事を請け負う“解体屋さん”である解体工の仕事は、住宅やビルといった建造物や、石やコンクリートといった構造物を取り壊して解体するというものです。

解体工事を安全に行うには入念な準備や法律に則った届け出が必要ですし、工事のあとには解体で出た廃材を適切に処分するよう手配することも求められます。そうした仕事も、解体工事を請け負う会社で発生する仕事です。

解体工の仕事の面白い点は、なんといっても多岐にわたる建造物・構造物をきれいに撤去する、その工程に自ら関わることができるという点でしょう。建設に従事する方々には建物を作り上げるという喜びがあるといわれますが、大切に使われてきた建物をていねいに安全に仕舞う仕事ならではのやりがいもまたあるものなのです。

解体工事は、作業員が人手で取り壊すこともありますが、大半のケースでは重機を使って解体します。そうした重機をうまく操作して効率よく解体したり、現場によっては特殊な重機を使ったりすることも、解体工の仕事の面白い点といえるでしょう。

鳶職人との違いとは? 決定的な違いはココ

漠然としたイメージや思い込みで語られることも多い解体工の仕事ですが、なかには「鳶職人と解体工の仕事は同じものである」と誤解されることも珍しくないといいます。

鳶職人は、建設現場の足場を組んだり、鉄骨造の建造物で骨組みを組み立てたり、建物の内部に大型の機械などを据え付けたりといった仕事を行います。建設現場では不可欠の重要な存在ですが、解体工とは異なる仕事です。また、必要な資格も明確に異なるものです。

ただ、確かに、鳶職人と解体工は接点の多い仕事ではあります。解体工事を行ううえでは足場を組んだりや粉塵飛散防止のためのネットを設置したりすることも多く、このときに鳶職人が活躍しているのです。いずれの仕事も魅力も面白みもある一方で、確かな技術と集中力が必要とされる職人の仕事といえるでしょう。

しかし解体工はキツイ仕事

ここまでは、解体工の仕事の魅力や面白みを中心に説明してきましたが、解体工の仕事は楽しいことばかりではありません。むしろ、常に危険と隣り合わせであるきつい仕事という面の大きい仕事です。

多くの解体工事では重機を使うとはいえ、そうした機械を使えるようにセットアップをしたり、解体工事で出た廃材をトラックに運搬する作業は人間が行います。粉塵が舞う埃の多い環境で体力を酷使することになります。

また、解体工事の現場は空調が効いている環境ではなく、夏は暑く冬は寒いなかで作業することになります。近年夏の酷暑のなかで工事を行うのは熱中症の危険もつきまとうでしょう。

何より、建物を取り壊すという作業は一歩間違えれば事故が起こることにもなりかねません。アスベスト(石綿)が使われている古い建物の解体では、アスベストを吸い込まないよう十分に注意しなければ健康被害につながってしまうのです。

解体工は、このようにきつい仕事を、限られた短期間で遂行しなければなりません。安全に配慮し、作業効率を考えながら、神経をとぎすませて作業にあたっているのが解体工という職人の仕事なのです。

おわりに

戦後70年以上経過している日本では、高度成長期に建てられた建造物の老朽化が進んでおり、解体を迫られている建物が次々と出てきています。加えて、2020年に開催が予定されている東京五輪を前に、インフラ整備も加速するでしょう。

そうした状況下で、解体工事のニーズは今後も続いていくとみられています。仕事が山のようにある解体工事の現場で、きつい仕事のなかにやりがいを見出すことができれば、解体工の仕事は魅力的なものになるに違いありません。

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