違法ではないですか? 解体工事には届出が必要。解体工事に必要な許可と届出について
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解体工事は、住宅やビルのような建造物から、石やコンクリートといったものまで、さまざまなものを取り壊します。その工事に際しては常に危険がつきまとい、工事後には廃棄物が生じることになるのです。そうした作業を安全・安心に終えるためには、入念な準備や細心の注意を払った対応が必要です。
解体工事の実施を届け出たり必要な許可を得るのも、その準備の一つです。解体工事に必要な届け出や許可については解体工事を請け負う会社が対応することが多いですが、法律に則って適切に工事を進めるために、依頼する側も一通り理解しておきましょう。
目次
解体工事前に行う手続きと解体工事に必要な届出について
解体工事には、さまざまな危険が伴います。取り壊している最中に壊した建材が上から落ちてくることも考えられますし、足場から落下する可能性もあります。大量の粉塵が飛散するなかで、古い建物に使われていたアスベスト(石綿)を吸い込む危険もあるのです。
そんな解体工事を人にとっても環境にとっても安全・安心に遂行するために、解体工事の実施に際しては法律でさまざまな取り決めがなされています。解体工事は、そうした決まりごとを守って適切な準備を行い、進める必要があります。
その準備の一つが、解体工事を行う旨の届け出を行って必要な許可を得ることです。すべての解体工事に共通して届け出るものもあれば、特定の条件に合致する工事についてのみ届け出が必要となるものもありますが、一般的な解体工事に必要とされる届け出の代表的なものをご紹介します。
解体工事届出一覧
解体工事の事前申請
床面積の合計が80平方メートルの建物で解体工事を行う場合や工事費用500万円以上の解体工事について、建設リサイクル法に基づき、工事の発注者・自主施工者が工事着工の7日前までに、都道府県知事へ届け出を行います。
道路使用許可申請
工事作業のための車両や資材運搬車両などを道路に駐車する必要がある場合、管轄の警察署長に対して届け出を行い、道路の使用許可を得る必要があります。
ライフライン停止申請
解体工事に際して、着工の7日前までに電力会社やガス会社に連絡し、電気やガス、電話などを止める手続きをとります。ただし、水道は工事で使うことがありますので、停止するかどうか確認を。
消防関連の申請
消防法に基づいて必要な場合、消防署に対して危険物貯蔵所廃止届や消防指定水利廃止届といった届け出を行います。
アスベスト関連の申請
解体工事を行う建物でアスベストが使われている場合、アスベストを除去する作業も必要になります。この場合、そのアスベストの状態に応じて、管轄の労働基準監督署や都道府県知事などに対して届け出を行う必要が生じます。そのうち「特定粉塵排出等作業の実施の届出」については、原則として施主(依頼主)に届け出の義務がありますので注意しましょう。
建物滅失登記
解体工事を終えて1カ月以内に、その建物が存在しなくなったことを証明する登記を法務局で行います。
建設リサイクル法とその他の法令について
解体工事は、大きく分けると「建物を取り壊す作業」と「工事で出た廃材を処分する作業」があります。そのうち、建物を取り壊す作業に関連する法律が、建築基準法や建築業法などの建築関連法、労働安全衛生法や石綿障害予防規則、大気汚染防止法などのアスベスト対策関連法です。
一方で、廃材を処分する作業に関連する法律が廃棄物処理法。いずれも地域によっては関連条例が存在することもあります。そして、この2つの作業のいずれにも関連して不足を補うのが、建設リサイクル法です。前述の届け出は、これらの法律に基づくものです。
そうした届け出を怠った場合、こうした法律に違反したということになり、それぞれに罰則があります。内容によっては施主も無関係ではありません。法律をきちんと守って届け出を忘れないようにしましょう。
おわりに
建物を建てる工事では人が高いところにのぼって重い建材を扱うことが多く、外から見ているとはらはらすることも少なくないでしょう。同様に、建物を解体する工事においても、さまざまな危険が伴います。
届け出は多岐にわたり、大変だと感じることもあるでしょう。しかしそれらは、安全を守るためのものです。そうしたプロセスを怠らず適切に工事を進めてもらうことができる施工会社と契約し、安全に工事を終えられるようにしましょう。