どのくらい儲けてるの? 気になる解体業者の利益率についてこっそり教えます

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  • 利益率ってなに?
  • 解体業者の利益率はどの程度?
  • 利益率が低いのは優良業者なの

本稿では、なかなか訊けない解体業者の儲けについてお伝えしていきます。
解体業者を選ぶときには、やはり値段が気になることでしょう。見積もりを取ったときに、解体業者の利益率や工事の原価を知っておけば、金額にも納得がしやすいはずです。
解体業者には面と向かって訊きにくい原価率や利益率を確認していきましょう。

利益率とは?

利益率について押さえておきたいポイントは以下の3つです。

  • 利益率とはどれくらい効率よく利益を得ているかを示す値
  • 解体工事業の利益率は20%程度
  • 利益率が低い=優良企業ではない

解体業者は利益率の高い業種です。ただ、利益率が高くとも儲けているとは言いにくい部分もあるのです。利益率について詳しく確認していきましょう。

利益率とはどれくらい効率よく利益を得ているかを示す値

利益率とは、売上高からどれくらい効率よく利益をあげているかを示す数値です。数値が高ければ高いほど、効率よく多くの利益をあげられていることを意味します。

利益率=(収益-人権費や仕入費用)÷売上高×100

上記の計算式で求めることが可能です。

解体工事業の利益率は20%程度

解体工事業の利益率は10%~30%程度とされています。
東証一部上場の1800社あまりの利益率の平均は6%程度です。この点を踏まえると解体工事業者の利益率は高いといえるでしょう。
解体工事業の他に、利益率が高い企業としては「飲食業」や「ファッション業界」などが存在します。
ファミレスなどの飲食店は大体利益率が60%です。仮に1,000円の食事が売れれば600円が利益となります。また、ファッション業界も利益率が高く70%であるとされています。
ただし、利益率が高ければ儲かっているということにはなりません。
たとえば、飲食店は利益率が60%と高い数値を示していますが、飲食店業界が儲かっているというイメージをお持ちの方は多くないでしょう。
飲食店は販売している商品の単価が安いです。そのため、いくら利益率が高くとも儲けにはつながらないわけです。利益率以上に商品の単価が儲けの決め手になってくるといえるでしょう。

「利益率が低い=優良企業」ではない

利益率が低い=優良企業である、と誤解している方が少なくありません。
利益率が低い会社は、「自社の利益を犠牲にして、依頼主からもらうお金を少なくしている企業である」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?
しかし、利益率が低い会社は、依頼主からお金を少なく取っているのではなく、何らかの無駄があって 結果的に利益率が下がっている場合がほとんどです。
大切なのは利益率よりも、企業が提供する商品の質とお金のバランスが取れているかという点にあるといえるでしょう。

解体業における原価率と利益率について

原価という言葉を聞くことは少なくないでしょう。原価とは仕入れ値段や元値のことを指します。そして、売上に対する原価の比率を示したものが原価率です。
解体業における原価率は90%~70%であり、利益率はだいたい10%~30%程度とされています。
つまり、解体費用が200万円かかったのであれば、解体費用の原価は180万円~140万円程度。業者の手に入る利益は20万円~60万円ということになります。
ただし、先ほど確認したように原価率が高く利益率が低い解体業者が優良な業者とは限りません。
利益率が高い業者の中には、価格に見合った高度な技術を提供してくれる業者も存在します。一方、金額は安いけれど、工事が手抜きで技術不足の業者もあるので注意が必要です。費用は大事ですが、それを決定打とせず、あくまで業者を選ぶ判断材料の一つにしておきましょう。

解体工事にかかる費用を把握しよう!

あくまで概算になりますが、解体工事の費用は事前に計算できます。

費用の目安は坪単位で計算可能

解体工事の費用は坪単位と建物の構造によって変わってきます。
一坪あたりにかかる費用の目安は以下のようになります。

木造建築:3,000円
鉄骨造:4,000円
鉄筋コンクリート45,000円

たとえば30坪の鉄筋コンクリート住宅を解体するならば、175万円くらいはかかることになります。
ほとんどの解体業者はこの坪単位を参考にして料金を計算しているので、まずはこれで解体工事の費用相場を計算してみると良いでしょう。

解体費用の内訳を公開

解体工事にかかる大体の費用の目安を確認できたところで細かい内訳を確認しておきましょう。
解体工事にかかる費用を細分化すると以下の通りです。

①人件費
解体工事を行う作業員の日当。作業員一人を使うならば1日で15,000円必要です。
②重機使用費
解体工事に使う重機を使用する代金です。1日動かすとだいたい1万円程度が必要です。
③トラック使用料
解体工事には4トントラックが使われることが多く、その使用料が必要になります。1日あたり6,000円程度必要です。
④ガソリン代
重機などを解体現場まで走らせるガソリン代が必要になります。
⑤廃棄物処理費用
解体で発生した廃棄物を処理する費用です。市区町村や処理するものによって費用は異なります。
処理費用が必要なもののうち一番安く処理できるアスファルトは1トンあたり1,200円前後。一番処理費用が高い廃プラスチックは1トンあたり56,000円前後が必要です。
⑥保険料
工事保険に入るならば保険料が必要になります。だいたい10,000円程度は必要です。

以上が工事に必要な料金の内訳です。この他にも職人に特別な作業を頼んだりすればその分の費用も必要になります。

まとめ 解体工事の利益率を把握し適切な業者を選ぼう!

解体工事の利益率は10~30%に設定されることが多いことを確認しました。
利益率を低くし、安い見積もりを提示してくれる解体業者には目が引きつけられがちです。しかし、安い業者がすなわち優良業者であるとは言い切れません。
解体に関する諸費用をきちんと把握し、技術やサービスと費用のバランスが取れているかを確認するのが重要といえるでしょう。
さまざまなことに目を向けて解体業者を選択してください。

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