トラブル回避の秘策!解体業者を選ぶコツとは?覚えておきたいチェックポイントまとめ

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家を建て替える際に今まで住んでいた家を解体する、相続したものの住む予定のない空き家を解体する……。このような場合、解体を請け負う事業者(解体業者)に解体工事を依頼して行うため、数多くの解体業者から依頼する会社を選ぶことになります。

解体業者は会社によって対応の質や料金もさまざまです。安さだけなどで安易に選択してしまったおかげで、その後トラブルに遭遇してしまう……という例には枚挙にいとまがありません。

よくあるトラブルを理解し、そうならないような解体業者選びのポイントをおさえておきましょう。

解体工事のトラブルとは?

建物を解体する解体工事には、さまざまなトラブルの種が潜んでいます。

たとえば、解体工事には騒音や粉塵などがつきものであり、住宅が密集しているような場所では対応を間違えれば近隣トラブルに発展してしまいがちです。アスベストが使われている古い建物の解体では、決められた手順で行わないと健康被害が生じてしまうことも。

解体業者には法的な対応も求められますが、そうした対応を怠っている解体業者には誠実な対応は望めません。解体工事には少なくない費用がかかりますが、その見積もりが不明瞭であったりすると、あとから追加費用を請求されてしまうこともあり得ます。

よくある解体業者とのトラブル

費用の見積もりに関するトラブル

解体工事の作業や費用を見積もる現地調査の場で、解体業者から概算の見積もりを口頭で聞くことがあります。それを鵜呑みにして契約してしまうと、実際にはもっと多額の費用が請求されることがあるでしょう。

書面で見積もりをもらっても、内容が曖昧で費用の総額が明確でないと、やはり支払いに関するトラブルが生じてしまいます。

工事の作業期間に関するトラブル

解体工事にかかる工期を、他社に比べてかなり短くできると見積もった解体業者に依頼したら、工事の対応がいい加減で騒音や粉塵飛散などの問題が発生してしまったというケースも散見されます。

近隣への配慮に関するトラブル

解体工事を行うにあたっては大きな重機が出入りすることになりますし、大きな音や埃、振動などがどうしても出てしまいます。事前の挨拶を怠ったり、防塵シートなどの対策が不十分な状態で工事を行ったりすれば、近隣との衝突は必至でしょう。

廃棄物の処理に関するトラブル

解体工事では多くの廃棄物が出ます。また、アスベストを使った建物の解体やアスベストを含む建材の廃棄処分には特別な処理が必要です。そうした産業廃棄物を解体業者が不法投棄すると、施主も責任を負うことになってしまいます。

悪徳業者を回避するには

解体工事のトラブルを避けるためには、不誠実な対応や高額請求、不法投棄などの不正などをはたらく“悪徳業者”を回避することが重要です。そのためには、よくある悪徳業者の手口を知っておきましょう。

最初は安い見積もりを出し、後に追加請求

安い見積もりを出す解体業者がいれば、そこに工事を頼みたくなるものです。しかし、いざ工事を始めてから「追加でこんな作業が必要になりましたので、これだけの追加費用を請求します」と言われたら、全体としては高額の費用を払うはめになってしまいます。

安い見積もりの理由が「不法投棄」

解体費用の見積もりが明らかに安すぎる…。それは「不法投棄」で廃棄物の処理費用を浮かせているからかもしれません。不法投棄は解体業者だけでなく、工事を依頼した施主にも罰則があります。「知らなかった」では済まないのです。

解体業者を紹介するブローカーの仲介がいい加減

解体工事を依頼したい人に解体業者を紹介するブローカーがいます。信頼できるブローカーは頼りになる存在ですが、なかには「解体業者からのバックマージン」目当てにいい加減な仲介をするブローカーもありますので、注意が必要です。

解体業者を選ぶ際のポイント

費用の見積もり

解体業者の現地調査に立ち会い、依頼する工事や処分するものの範囲を明確にするなど、必要な点をきちんと説明しましょう。

そうしてしっかり見積もってもらったら、その内容を書面で受け取り、内容の確認を。追加費用の有無も必ず確認しておきましょう。

工期の見積もり

立地や建物の状態、天候などによっても異なりますが、きちんと解体工事を行うにはある程度の日数はかかります。

その工期を驚くほど短いスパンで見積もるような解体業者は、対応が適切をしていない、不法投棄を行っているなどのリスクが高いと考えたほうがいいかもしれません。

近隣への配慮

工事が始まる前には近隣の住宅へ挨拶にうかがいますが、その挨拶の同行や挨拶時に渡す説明書面の作成などを行ってもらえるかどうか、あらかじめ聞いておくとよいでしょう。工事中の騒音、振動、粉塵飛散などの対策についても、忘れずに確認しておくことです。

各種書面の確認

産業廃棄物を適切に処理するためには「産業廃棄物収集運搬業許可書」を取得し、解体工事で生じる産業廃棄物を処分する過程を管理する「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」を作成する必要があります。

また、解体に際しては、解体業者が「建物取毀し証明書」を発行することになっています。そうした書面の発行の有無と内容を事前にしっかり確認しましょう。

損害賠償保険の加入

解体業者の不注意などで何らかの被害が発生してしまった場合、解体業者がその責任を負うのが一般的です。しかし、解体業者が損害賠償保険などに加入していないと、賠償が十分に行われないだけでなく、施主にその責任を転嫁してくるようなことも考えられます。

解体業者選びの際にチェックすること

数多くの解体業者から依頼する会社を選ぶ際には、上記のポイントと合わせて、次のような点もチェックしてみましょう。信頼できる業者をより選びやすくなります。

対応に遅れがない

質問にきちんと回答する、必要な手続きを滞りなく進めるというのは大前提ですが、その回答や対応が遅れがちなルーズな業者には不安を感じ、信頼できませんよね。遅れるとしても、まずはそのことを事前に連絡するのは不可欠でしょう。

口頭だけでなく書面を示してくれる

見積もりや契約など、解体工事では多くの取り決めをすることになります。そうしたやりとりを口頭だけで済ませる業者は、あとで「言った」「言わない」のトラブルに発展しがちですし、「悪事の証拠を書面に残さない」ことを考えているかも…。

情報を開示している

これまでにどのような解体工事を手がけているか、どのぐらいの実績があるかといった情報を隠そうとする会社は、「この会社、本当に大丈夫なのかな」と疑ってかかる必要があるかもしれません。Webサイトに書かれている会社情報なども要チェックです。

大手と中小の解体業者の違い

解体業者を選ぶにあたってもう一つ、多くの方が気になるのは、「大きい会社に頼むべきか、それとも小さい会社がいいのか」ということではないでしょうか。

結論からいうと、従業員が多数在籍するような大規模な解体業者と、最小限の人数で切り盛りしているような小規模な解体業者では、それぞれいいところも注意すべきところもあり、一概に「どちらがいい」とはいえません。

大規模な解体業者では、組織や仕事の仕方がきちんとルール化されていて、社員の役割分担も明確に決まっていることが多いです。そのため、工事の質も安定しやすいですが、抱えている人数や下請け業者が多く、費用が高くなる傾向があります。

小規模な解体業者の場合はその反対で、コストを必要最低限におさえやすい分、会社や担当者によって対応の質が大きく左右されてしまうことも。

ただしこうした傾向はあくまで目安ですので、実際には見積もりの内容や受け答えの対応などをよく見極めて業者を選ぶことが大切です。

おわりに

多くの方にとって、マイホームの購入が人生に何度とない買い物であるように、建物の解体も人生で何度も経験することではありません。そのため、解体工事の必要に迫られたときには、経験や知識が十分ではない状態で解体業者を選ぶことになります。

また、近隣への影響も大きい解体工事は、解体業者の対応によっては容易にトラブルに発展するものです。不安を解消して気持ちよく解体工事を依頼できるよう、解体業者は慎重に選ぶようにしましょう。

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