火災現場は割高! 火災被害に遭った建物の解体費用と解体手順について解説します
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火事は恐ろしい事故の一つです。「自分が気をつけていれば大丈夫」と思うかもしれませんが、ガスコンロやたばこなどでの“うっかり”が原因となってしまうことも多いほか、ほかの建物から出火して燃え移ることや放火などもあり、決して他人事ではありません。
火災現場となってしまった住宅は、被害の程度によっては家屋の解体を余儀なくされますが、その場合の解体工事は通常の解体工事とは異なる手順もあり、費用も高額になる傾向があります。いざというときにあわてることのないよう、火災被害に遭ってしまった場合の解体工事について知っておきましょう。
火災現場の解体工事の手順について
火事が発生して火災現場となってしまった建物では、消火活動で火を消し止めたあとには警察や消防による現場検証が行われます。入居者は、火事に遭ったことを証明する「罹災証明書」を消防署で申請するほか、火災保険に加入していれば保険会社に連絡して保険金を申請するなどの対応が必要です。
そうした対応が終われば、ようやく後片付けに着手できる状態になります。火事で燃えてしまった家具などの廃棄物は「火災ごみ」として処理する必要があります。火災ごみの処分は、お住まいの市区町村に相談しましょう。一通り片付いたら、建物の解体工事を請け負う解体業者に依頼して解体工事を行います。
解体工事を依頼する業者は、いくつかの解体業者をピックアップしたなかから信頼できる会社を選ぶようにしましょう。まずは複数の会社に連絡して、火災現場の解体工事を行いたい旨を伝えます。そして現地調査にきてもらい、解体工事の費用見積もりを受け取って、解体業者を選定します。
火災現場の解体費用が高額になる理由について
「火事で燃えてしまった建物の解体工事は、通常の建物の解体工事より手間がかからないだろうから、安くできるのではないか」と考える方もおられるかもしれません。しかし実際には、火災現場の解体工事は、一般的な解体工事よりも費用が高額になることのほうが多いのです。その理由は、解体工事で出る廃棄物の処分費用にあります。
一般的な木造住宅の解体工事では木材などの廃材を処分することになりますが、これらは再利用が可能です。ところが、火事で焼けてしまった木材は炭化してしまい、再利用することができず処分するしかありません。このため、廃材の処分費用がかさむことになります。
火事の被害の程度によっては被害を受けなかった木材などもありますが、そうなると解体業者が「再利用可能な木材」と「炭化して再利用できない木材」に分別してそれぞれ対応する必要が生じます。ここに手間がかかることで、一般的な解体工事より費用が高くなるのです。
火災現場の解体費用を安くするポイント
火災現場の解体工事に際しては、火災保険に加入していれば保険金を受け取ることができますし、自治体によっては火災ごみの処理費用への補助(減免措置)を受けることもできます。とはいえ、解体工事の費用を安くおさえることができれば、それに越したことはありません。
そのためには、「廃棄物をできる限り自分で処分する」というのが大切なポイントです。燃えてはいないが処分せざるを得ない家財道具などを解体工事と合わせて依頼して処分してもらえば手間はかかりませんが、その分費用がかかってしまうことになります。
一般の家庭ごみに出せるもの、市区町村の清掃センターに持ち込めるもの、安価で依頼できる廃棄物業者に依頼して撤去してもらえるものなどは、解体業者に一括で頼んでしまうのではなく個別に処分することで、費用を最低限のものにおさえることができます。
おわりに
火事に遭遇してしまうという経験はできるだけ避けたいですが、もし万一自宅が燃えてしまうなどして火災現場になってしまったら、生活再建を考えながら燃えてしまった家の解体処分などを考えなければなりません。その負担は大きいですが、せめて費用負担だけでも極力おさえたいものです。
火災現場の解体工事の費用を最低限のものにおさえられるかどうかは、廃棄物の処分をどうするかにかかっているところが大きいです。火災現場の解体工事の実績があり信頼できる解体業者を選び、自治体や保険会社に相談するなどしながら、解体工事や廃棄物の処分を適切に終えるようにしましょう。