賢く解体! 和室・床の間の解体工事の注意点と不要になった古材の賢い処分方法
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昔ながらの住宅には、床の間や欄間、天袋などを備えた和室が存在することが珍しくありません。古くなって傷んだ住宅をリフォームする場合や、相続したものの住む予定のない実家を解体する場合に、こうした和室を取り壊してしまうのは忍びないと考える方も多いものです。
しかし一言で解体といっても、床の間を残して解体工事を行うケースもあれば、住宅をすべて解体するものの不要になった古材を買い取ってもらえることもあるのです。和室の構造や解体方法、古材の買い取りなどについて、詳しくみていきましょう。
和室の構造について
「和室」とは、室町時代の住宅様式である「書院造り」を簡略化したもので、以下に挙げるようなものを備えています。
・床の間…部屋の奥にあり、掛け軸や花、香炉などを飾るための空間。
・書院……床の間と縁側の間にある座敷飾りで、出窓のような造り。昔は机としても使われた。
・違い棚…2枚の棚板を段違いになるように組み合わせた飾り棚。
・天袋……押し入れの上部や違い棚の上に備え付けの袋戸棚。
・鴨居……ふすまや障子などの引き戸を建てるための溝が掘られた横木。
・欄間……天井と鴨居の間にある開口部で、採光や通風が行われる
和室の床は畳敷きになっており、畳の下は荒床と呼ばれる板が敷かれています。また、和室の壁は、構造材である柱が壁からはみ出るようなかたちになる「真壁仕様」が基本で、壁からはみ出て見える柱は見栄えのいいものが使われていました。
和室の壁解体時に気をつけるポイント
在来工法で建てられた築数十年の木造住宅では、和室の壁も、木材で組まれた壁の下地に石膏ボードなどの下地材やモルタル・漆喰・砂壁などの壁材が塗り重ねられたものが多く、ハンマーなどで叩くと簡単に穴を開けることができます。
「そんなに脆い素材なら、自分でも解体できるのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、和室を解体する際、特に壁を解体するにあたっては、注意しておくべきポイントがいくつかあります。
非常に重要なのが、柱や筋交いなど、住宅を支える下地が収まっている壁を把握すること。そうした柱や筋交いを壁ごと取り壊してしまえば、壊したくないところにまで影響が及ぶほか、解体作業中の事故につながる危険もあります。
壁の下地をそのまま生かして古い壁材だけを撤去したいという場合は、壁の表面を軽く叩くようにしましょう。力を入れて叩いてしまうと壁の下地まで壊れてしまいます。
そのほか、火災を防止するためにコンセントがあれば養生して木くずや埃が入らないようにすること、段ボールなどでガラスを保護すること、抜いた釘を踏まないことなども、意外と見落としがちなポイントです。
不要な古材・らんま・格子は捨てずに売ろう!
昔ながらの和室には質のいい木材が使われており、今も傷みの少ない状態で残っていることもよくあります。また、欄間には透かし彫りが施されるなど意匠性の高い造作物もあり、保管しておいても使い道に困るとはいえ、取り壊して廃棄してしまうのはもったいないもの。
そこで考えたいのが、解体する和室の床柱や欄間、建具などを買い取ってもらうことです。骨董品を扱う店舗やアンティークショップに買い取り価格を査定してもらう、オークションの落札傾向を調べて出品するといったかたちで、具体的に検討してみましょう。
ただし買い取ってもらうためには、解体工事を依頼する業者の協力が不可欠です。建材を再利用できるような解体作業を行ってもらえるかどうか、その場合追加費用が発生するかどうかといった点を解体業者に相談し、最終的に合意を得ることが重要です。
おわりに
床柱、梁、欄間に格子、鴨居に床の間…立派な和室は、取り壊して解体・撤去してしまうのを惜しく感じることでしょう。特に思い入れのある和室であれば、その思いもひとしおです。そんな場合に一部でも買い取って有効に再利用してもらうことができれば、ほっとしますし、解体工事の費用に充てることも可能になります。
解体後の古材を買い取ってもらうためには、解体業者の協力が最重要です。また、大切な和室を安全・安心に解体するためにも、信頼できる解体業者を選ぶことが大切となります。複数の解体業者に現地調査・見積もりを依頼し、解体後の買い取りについても相談するなどして、最適な選択肢を選べるようにしましょう。