見積書に躍る見慣れない項目、「重機回送費」とはいったい?
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解体工事を依頼する際には、解体を請け負う施工会社から見積もりをもらってかかる費用を確認しますよね。
その見積もりのなかに、「重機回送費」という項目が含まれていることがあります。聞き慣れない言葉ですが、これはどのような費用なのでしょうか。
また、解体工事を検討する過程で、複数の会社から相見積もりをとることがあります。このとき、「重機回送費」の金額が会社によって異なり、さらにはこの項目自体が含まれていない会社もあります。この違いはどうして起こるのでしょうか?
解体費用を正しく把握するために、「重機回送費」について理解しましょう。
重機回送費とは?
解体工事には、油圧ショベルやパワーシャベルなどのさまざまな重機を使用します。こうした重機は普段は自社の保管庫やリース会社で管理されており、工事を行うにあたってそうした保管場所から解体現場まで輸送する必要があります。
そして「重機回送費(じゅうきかいそうひ)」とは、こうした重機の運搬費用を指します。
運搬費用ですから、どのくらいの距離を運搬するのか、どのような重機を何回運搬するのか、運搬の際にどのような車両を必要とするのかといった要素によって、かかる費用が異なります。
また、解体現場周辺の道路が広ければ大きい重機でもそのまま現場正面まで運搬できますが、道路が狭ければ運搬にも手間がかかってしまいがちでしょう。そうした違いによっても費用の違いが発生することになります。
解体業者によって違いがある理由
そして「重機回送費」は、見積もる会社によって違いがあります。
依頼する工事が同じであれば運搬する重機も同じ、見積もりを頼んだ複数の会社の場所が同じエリアであれば運搬にかかるコストもだいだい同じではないのではと考えるかもしれませんが、同じ解体工事、近隣の会社でもこの金額が同等とは限りません。
その大きな理由の1つは、重機の保管状態や配送方法によって運搬費用が異なるからです。
たとえば、重機を自社で所有しておらずリース会社からリースして使用する会社では、配送もリース会社が行うことがあり、解体会社が直接配送するよりも運搬費用がかかることになります。
他方、重機を自社で所有していて事務所に保管しているような場合は、プラスアルファの運搬費用がかからないということも。
もう1つの理由は、会社によって「重機回送費」に含めている作業が異なることがあるからです。
純粋に重機の運搬費用のみを見積もっている会社もあれば、解体工事で出た廃棄物を処分場まで運んでいく際の車両費なども含めて「重機回送費」としている会社もあるのです。
重機回送費はどんな解体工事でも必須
さらにいえば、「重機回送費」という項目が見積もりに入っていない会社もあります。このような見積もりの場合、重機回送費を節約できて安上がりと考えるかもしれませんが、かえって注意が必要なんですよ。
解体工事に際しては、重機の運搬は不可欠です。そのため、重機回送費は必ずかかる費用なのです。
にもかかわらず見積もりに含まれていないということは、ほかの項目に含められてしまっていたり、見積もりから漏れていてあとで「追加費用」として請求されてしまったりといった懸念があるからです。
したがって、見積もりを受け取ったら、「重機回送費」という項目があるかどうか、ある場合はその金額がどこまでの作業の見積もりなのか、ない場合はどう見積もられているのかということを、必ず確認しておきましょう。
おわりに
このように、「重機回送費」という金額が指し示す内容はケースバイケースです。そのため、相見積もりをとった場合に同じ項目だからといって「重機回送費」の金額のみを見比べるのはあまり意味がありません。
重要なのは、「重機回送費」の金額に何が含まれているかを理解することです。
とはいえ、実際の重機の運搬費用が安く済む会社なのか、高くつく会社なのかということは、ある程度知りたいところ。
見積もりを確認する際に、重機はどのように保有しているのか、どこから運搬するのかといったことを確認すると、一定の判断材料とすることができるかもしれませんね。