他人事じゃない! 遺品整理の流れと業者を利用する際に気をつけたいこと
解体工事を依頼するなら!読んでおきたいお役立つコンテンツ
お一人で暮らしていた高齢者が亡くなり、その方が住んでいた空き家の遺品整理を業者が行っている…。そんな場面をテレビで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。そんな遺品整理はテレビのなかの出来事のように思われるかもしれませんが、実は決して他人事ではありません。
亡くなった方の持ち物を片付ける遺品整理は、形見分けを行ったり処分したりするだけでなく、空き家の解体工事を行って売りに出すといった場合にも必要となるものです。遺品整理を実施する場合の流れと、片付けを業者に依頼する場合の注意点について、理解しておきましょう。
目次
遺品整理とは何か?
「遺品整理」とは、亡くなった方が使っていた生活用品や所有物などの生活家財、つまり遺品を整理し、保管するもの、形見分けするもの、処分するものなどに分けてそれぞれ適切に対応する業務を指します。
近年は業者が遺品整理を行う場合も
遺品整理は、かつては残されたご家族が行うケースがほとんどでした。ところが、核家族化・少子高齢化・未婚世帯の増加などが進む日本社会では、親世代と子世代が別々に住んでいて子世代が対応しきれないケースや、孤独死で片付ける家族が見つからないといったケースが増えているのです。
遺品というのはただの「物」ではなく、亡くなった方の気持ちや思い出が込められた品物ですので、ていねいに扱うことが求められます。とはいえ、大量の遺品を整理するのは非常に負担が大きく、特に空き家となった家の解体工事を行うような場合は期限も限られています。
そうした状況から、遺品整理を有料で引き受ける業者が数多く存在しており、そうした業者に遺品整理を依頼するケースが増えているのです。
遺品整理の流れと費用について
遺品整理の流れ
遺品整理を業者に依頼するには、まずは業者に問い合わせて見積もりを依頼し、条件が合えば契約を結びます。業者は依頼主の要望に応じて整理作業を行いますが、作業中に保管か処分か判断に困った場合は依頼主に都度確認して対応します。
また、作業終了後には依頼主が現地確認を行います。そのため、当日は依頼主が立ち会うことが望ましいですが、難しければ電話連絡や写真での終了確認といった対応をとることもあります。すべて終わったら料金を支払います。
業者への依頼
遺品整理を行ってもらう業者が見つかったら、電話連絡して見積もりをとってもらいます。整理を行う家まで、業者の方が来て実際に目で見て、どんな遺品があるか確かめて、費用を見積もります。
見積金額は、遺品整理を行うスタッフの人数、遺品の数などで変化します。見積額を確認し、ご依頼主が金額に納得したら契約です。見積書の他に、契約書を作り契約を交わします。また何日の何時頃スタッフが伺うかということも、その場で決めます。ご依頼主の都合の良い日を考慮し日時を決めてください。
当日の流れ
遺品整理当日の大まかな流れは以下の通りです。業者によって若干流れや内容が違います。
・業者から作業内容説明
・マンションなど共用部分があれば養生
・遺品分別
・遺品梱包と搬出
・部屋の清掃
・ご依頼主が整理後の部屋を確認
・業者に対し遺品整理費用精算
遺品整理当日に、業者のスタッフが自宅を訪れ遺品整理開始です。開始前には、当日の流れの説明があり、マンションなど共用部分のある建物であれば共用部分の養生も行ってくれます。
遺品整理作業では処分品を分別し不燃と可燃、さらに産業廃棄物と分けていきます。処分せずに保管する遺品がある場合には、それも分別してくれるところもあるようです。
分別が終わると、遺品の梱包と搬出をして作業は完了となります。部屋に遺品がなくなった後は、簡単に掃除を行い、業者によっては、隅々まで丁寧に掃除するプランもあるようです。この場合は清掃の追加費用がかかりますが、綺麗に部屋を保ちたい方にはおすすめです。
清掃終了後依頼主が現場を確認し、問題なければ遺品整理費用精算となり作業は終了となります。
遺品整理の費用
遺品整理を業者に依頼する場合の費用は、整理作業の費用のほか、遺品の保管・廃棄のための運搬費用、梱包資材費用、廃棄費用などがかかります。これらの額は住居の大きさや荷物の量が増えるほど高くなり、作業環境などによっても異なります。
一般的な費用の目安は以下の通りです。
広さ 費用 スタッフ人数
1R・1K 5~10万円 1名~
1DK・1LDK 10~20万円 1~2名
2LDK 15万円以上 3名~
3LDK 20~25万円 4名~
4LDK 25~35万円 5名~
遺品整理の費用は、このようにして、整理を行う部屋の広さ、さらに作業スタッフの人数で変化します。もちろん、部屋が広くスタッフ数が多いほど費用は高くなります。
一般的な相場であり、遺品数が多いとスタッフが多く必要となり、費用も高くなるかもしれません。費用の内訳は、搬出のためのトラック使用料、遺品回収費用、作業費用となります。
引越業者を使うときの費用に、似ているかもしれません。2階以降の現場なら、エレベーターの有無でも作業時間が変わり、費用も変化します。クレーン使用、想定作業時間経過などでも、費用が多くなるので、見積もり以上の金額を請求されることもあります。
運搬費用
軽トラック:6,000円~
2トントラック:12,000円~
4トントラック:36,000円~
回収費用
廃棄物:9,000円~
紙類:4,000円~
機密書類:15,000円~
テレビ:2,000円~
冷蔵庫:3,000円~
洗濯機:2,500円~
買取してもらえる物がある
遺品の中には、買取してもらえる物も存在します。買取してもらえば、買い取り費用を遺品整理費用から引いてくれるので、安く遺品整理できます。少しでも費用を安くしたいなら、是非買い取りしてもらってください。
・貴金属
・金券
・時計
・美術品
・ブランド品
・パソコン関連
・家電
・家具
・車・バイク
・農具
買い取りしてもらえる品の一例としては、このような物があります。未使用品ほど高値での買い取りとなりますが、貴金属、パソコン、時計、美術品などは使用品でも買い取り可能です。リサイクルショップに売れるような物は買い取り可能と考えると良いでしょう。中でも貴金属は買い取り価格が高くなります。
ただし、あまりにも状態の酷い物は買取できません。また機械類は壊れていると買取不可です。不要となれば、無料または有料での引き取りとなるでしょう。ピアノや大型家具も買い取りできますが、搬出費用がかかります。
遺品整理を業者に依頼する際の注意点
複数業者で見積りを取る
遺品整理を請け負う業者はたくさんありますが、業者によって費用感も違えば対応の質も違います。場合によっては、とっておきたいものまで処分されてしまうことや、廃棄物を不法投棄されてしまうことが発生してトラブルに発展してしまうことも。
そのようなことにならないよう、信頼できる業者をきちんと見極めて依頼することが大切です。そのためにまず気をつけるべきなのが見積もりです。費用の見積もりは安いに越したことはありませんが、極端に安い見積もりには警戒を。
見積もりでは、明細を示してくれる業者を選ぶべきです。作業費用一式などと書いてあると、遺品整理後に追加費用として、高い金額を請求されるかもしれません。
悪徳業者に注意を!
金額が明らかに安すぎるのは作業の質を下げているか、不法投棄などの違法行為で本来かかる経費をカットしている可能性があります。反対に、高額な見積もりにも注意が必要です。ご遺族のお気持ちや不慣れな状態に便乗して、不必要な作業や費用を上乗せして請求しているかもしれません。
見積もりを受け取ったらその金額や作業の詳細を一つひとつきちんと確認し、わからないことがあれば納得できるまで質問しましょう。そこで具体的にきちんと根拠を説明できる業者を選ぶことが大切です。
業者を見分ける
業者に依頼するときは、おおよその品を伝えて、電話やメールで見積もりを取る方法もあります。しかし正確に金額を算出するなら、自宅に来てもらって見積もりをとってもらってください。そのときに業者の対応を見ましょう。ご依頼主の質問に答えない、適当に部屋を見て見積もりする、嫌そうに対応するような業者は、後々トラブルになるかもしれません。誠意を持って、対応してくれる業者を選んだ方が良いでしょう。
不用品処理業者と遺品整理屋の使い分けを
不要品処理業者は、自宅にある不要品を回収して処分する業者です。遺品回収も依頼できますが、処分せず保管する品はご依頼主が分別しないとなりません。回収処分のみなので、作業後の清掃は行いません。
これに対し、遺品整理業者は自宅にある品をすべて回収してくれます。当日処分せず保管する品があれば、ご依頼主が作業スタッフに指示すると梱包して搬出してくれます。また遺品回収はもちろん、作業後の清掃も行いますので依頼主の作業が必要ありません。更には供養品があれば、お寺に持って行き供養もしてくれるので助かります。
遺品整理を行うときには、一般的に不要品処理業者の方が費用は安いでしょう。遺品整理業者は清掃や供養までできますが、その分費用は高くなります。ご依頼主が、どこまで遺品処分が必要なのか考え、使い分けてみるのがいいでしょう。
おわりに
家族や親族など、大切な人が亡くなってしまうのはとても悲しいことです。気持ちが落ち着くまでは思い出にひたって故人をしのびたいと思っても、実際にはいろいろしなければならないことも多いもの。そのうちのひとつが遺品整理です。解体工事の必要に迫られているケースなどでは、遺品整理が急務となることも。
遺品整理の業者は、大変な作業を行う際の心強い味方になりますが、悪質な業者を選んでしまうと高額な請求やトラブルに遭遇してしまうこともあります。信頼できる業者を選び、亡くなった方の遺品を大切に整理しましょう。