解体工事で扱いに困るTOP3! 仏壇・神棚の解体処分の仕方と気になる費用について
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かつては、大きな家に2世帯・3世帯の家族が大きな家に同居し、そのなかには仏壇や神棚が置かれているという光景が珍しくありませんでした。しかし近年は、核家族化が進み、都市部では住宅のスペースに余裕がないことも多いことから、仏壇や神棚を設置しない家が増えています。
そうしたなかで、相続した実家を解体することになる場合に、実家に置かれている仏壇や神棚を処分せざるを得ないというケースがよくみられるようになりました。解体工事には残置物の処分がつきものですが、仏壇や神棚はどのように処分すればいいのでしょうか。
仏壇は撤去前に魂抜きをせよ!
宗派の違いによっても違いがありますが、基本的に仏壇は、購入したときにお坊さんがお経をあげていることが多いです。これは仏像の眼を開くための儀式で、「開眼(かいげん)法要(供養)」といわれます。
この儀式を行うことによって仏像に仏様やご先祖様の魂(霊)が宿るとされていることから、「魂入れ(たましいいれ)」「お性根入れ(おしょうねいれ)」と呼ばれることも。そうして、仏壇がご供養や感謝を行う対象になっていくのです。
こうした儀式を行っている仏壇を処分するには、その魂を抜き、開いた眼を綴じるための儀式が必要となります。これが「閉眼供養(へいげん)法要(供養)」「魂抜き(たましいぬき)」といわれるものです。魂を抜くことで、仏壇や仏像を「物」に戻すというわけです。
魂抜きが必要な場合は、お坊さんに依頼します。菩提寺がある場合はそのお寺に連絡を。寺院やお坊さんと付き合いがないというケースでは、魂抜きを依頼できるお坊さんを探すか、専門業者に依頼しましょう。魂抜きの費用は、お布施も含めて1万円から5万円ほどが目安です。
仏壇・神棚の処分方法について
魂抜きをした仏壇、あるいはそもそも魂入れをしていなかった仏壇は、お寺に引き取りを依頼する、仏具店に引き取ってもらい処分を依頼する、不用品回収業者に依頼する、自治体の粗大ごみに出すといった方法で処分することができます。
魂抜きを行うのであれば、引き取りについても相談してみましょう。菩提寺でなくても引き取りを依頼できるお寺もあります。不用品回収業者や粗大ごみに出すのは気が引けるという方もおられるかもしれませんが、魂の入っていない仏壇は「物」ですので心配する必要はありません。
神棚を処分する場合は、神様が宿っているといわれる神札の取り扱いには特に注意しましょう。神札だけ古札納所(お札返納所・納札所)に返納して神棚はお炊き上げしてもらうという方法と、神社に一式を持ち込んで神主さんに祈祷してもらい、そのままお炊き上げしてもらううという方法があります。
また、神札を返納したあとの神棚は、魂抜きをしたあとの仏壇と同じように、不用品回収業者に依頼したり、自治体の可燃ごみ・粗大ごみに出したりすることも可能です。神棚に金属類や陶器が使われている場合は、事前に確認しましょう。
仏壇・神棚の処分解体費用について
仏壇をお寺に引き取ってもらう場合には費用が発生します。この費用は宗派の違いや檀家かどうかといったことによって異なりますので、魂抜きや引き取りを相談する際に合わせて確認しましょう。費用を聞くのは失礼なことではなく、問題ありません。
仏壇を仏具店に引き取ってもらうケースや不用品回収業者に依頼するケースでは、仏壇の大きさや店舗によって費用が異なりますが、2万円から6万円程度の費用がかかります。仏具店に自分で持ち込んで引き取りを依頼する場合には5000円から1万円ほど安くなることも。
神棚の処分に際して、神札の返納やお炊き上げを神社に依頼する場合は費用が発生しないことが多いですが、一部の神社では有料となることもあります。また、祈祷してもらう場合は費用が発生し、5000円から1万円強みておくといいでしょう。
粗大ごみとして処分する場合の費用は仏壇の大きさや自治体によって異なり、平均して3000円から5000円ほどとなることが多いです。
おわりに
魂や神が宿るものであると考えられている仏壇や神棚は、処分するのに躊躇することもあるでしょう。ご家族がいれば、処分することに反対する意見も出てくるかもしれません。唯一の正解というものはないので、関係者でよく話し合い、気持ちを整理することが必要でしょう。
そのうえで、仏壇や神棚を通じて神仏やご先祖様に感謝の気持ちを忘れずにもちながら適切に処分するための、一般的な手順というものはあります。こうしたことを理解しておくと、いざというときにあわてずにすむでしょう。