こんな場所にもドローンが! 解体工事・建設工事現場で増えるドローン活用と使用の際の注意点について
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タイトル: こんな場所にもドローンが! 解体工事・建設工事現場で増えるドローン活用と使用の際の注意点について
自動制御や遠隔操作によって無人で飛ばすことができる小型の航空機「ドローン」は、従来のラジコン操作のヘリコプターなどに比べて操縦も簡単で、安定性や機能性もはるかにすぐれています。そのため、近年さまざまな分野での活用が進んでいます。
そんなドローンの活用は建設業の現場でも急激に進んでおり、建設工事や解体工事の現場でもドローンが使われることが珍しくなくなりました。使いこなせば便利なドローンですが、安全に使うためには注意点もあります。工事の現場で増えているドローン活用の実際についてみていきましょう。
目次
ドローンでできること
ドローンは、コントローラーで遠隔操作可能であり、自動制御することもできます。本体とコントローラーがセットになっており、空を飛ぶラジコンカーのようなものです。玩具用の小型サイズから、カメラやセンサーを備えた商用のドローンまでいくつもタイプはあります。
GPSでの位置確認ができるようになり、自動制御するにしても、精度が高まってきています。商業用ドローンは、農薬散布、フィールド撮影など活躍の場は様々です。自動制御により、荷物を運ばせるようにして、ドローン配送を実現しようと実験している企業もあります。
活用機会が増えているドローン
近年その名前がよく聞かれるようになった「ドローン」は、英語で「(無線操縦の)無人機」「オス蜂」といった意味の「drone」からきています。大きさや形状はさまざまですが、商用のドローンでは片手に乗るような小型サイズのものや数十センチ程度の中型機など、軍用のドローンでは幅が十数メートルあるような大型機も。
その名のとおり、無人で遠隔操作できるため、人が入りづらいような場所を空から撮影するといった用途などで広く普及が進んでいます。ドローンに荷物の配送をさせる宅配サービスの実用化研究なども、ニュースで報じられて知られるようになりました。
ドローンの活用はさまざまな業種・分野で普及するとともに期待が高まっていますが、土木・建築業、とりわけ建設工事や解体工事の現場でもドローンの活用が進んでいます。
解体現場でもドローンが活躍
解体現場でもドローンが次々と導入され始めています。たとえば、ビル解体であれば高所撮影に使われます。人を使うよりも撮影は早く、しかも安全です。また建物や橋の点検では重機を必要としましたが、ドローンのみで行うケースも増えてきています。
ドローンを使えば、作業時間短縮と安全確保が可能です。たとえば、ダム建設での土量調査は、従来1週間かかっていたのがドローンを使うと半日で終わったケースもあります。これからは、ますます解体現場でのドローン導入は増えるでしょう。
ドローン活用のパターン2つ
土木・建設分野の建設工事や解体工事の現場で活用されるドローンの主な用途は、「写真の撮影」と「建物の管理」です。ドローンでは高い視点から工事現場の全景を撮影することができ、その写真を工事の進捗管理に使うケースが増えているのです。
また、工事の現場をドローンで空撮して、その写真から3Dデータを作成して盛り土や切り土などの体積を自動的に計算、工事で使う土量の計算を行うといったことにも使われています。土木の測量は、建設分野でドローン活用が特に期待されている分野の一つです。
工事の進捗管理という面では、工事中の作業場所をドローンでくまなく撮影し、その映像を確認することで工事の品質・安全管理をスピーディーに徹底するといった活用もなされています。
建設工事を終えた構造物は定期的に点検する必要がありますが、橋梁などの場合は点検も困難が伴います。そうした点検にもドローンが使われ、写真や映像で細かな損傷も逃さずチェックできるようになっています。
ドローンを使用する際の注意点
事故を起こさず安全にドローンを飛ばすためには、細心の注意を払って操作する必要があります。加えて、日本では多くの法律でドローンの使い方が規制されていますので、そうしたルールの理解も必要です。
まず気をつけるべきは、ドローンを飛行させる場所です。空港近辺は飛行禁止エリアであることが多く、高圧線や変電所などの施設付近は電波障害の影響を受けて操縦できなくなる危険性がありますので、いずれも避けて飛行させるのが安心です。
新幹線や高速道路の上空、学校や病院、イベント会場など数多くの第三者が集まる場所の上空も、誤ってドローンが落下してしまった場合に大きな事故に発展する危険がありますので、飛行させないようにしましょう。
操縦者自身も、飲酒して酔った状態での操縦は厳禁です。ドローンを飛行させるエリアの付近に飛行機やヘリコプター、他のドローンが飛んでいることがわかったら、接触事故を避けるために調整を行うようにします。
2015 年12月10日に改正航空法が施行
ドローンを規制と言われる、改正航空法が施行されました。この法律では、バッテリーを含めた本体重量が200kg以上のドローンが対象です。改正航空法では、対象となるドローンについて、飛行禁止区域を設けています。
- 空港周辺
- 150m以上の上空
- 人家の集中地域
- 夜間
さらには、目視で飛行させること、危険物輸送禁止、物体投下禁止などと、飛行についての制限も法律で決められました。改正航空法に違反した場合は、50万円以下の罰金です。
最近はドローンを使った無人輸送の実験が行われています。そのために、政府は目視外でのドローン飛行を可能にするために、航空法のさらなら改正を目指しているようです。さらに、機体点検や気象確認なども、改正法には盛り込まれる予定となっています。
現場で使えるカメラ付き小型ドローン
カメラ付きドローンが発売されるようになり、各社いくつものタイプがあります。ドローンを飛ばせば、そのまま手元で映像を確認できるので便利です。カメラ付きドローンをいくつかご紹介します。
DJI PHANTOM 4 PRO
高い動画処理能力を持ち、空撮用ドローンとして開発されました。最大飛行時間30分、最大速度72km/hと文句なしのスペックです。4k動画や静止画連続撮影など行えます。
DJI Inspire 2
障害物感知機能を持ち、狭い場所での撮影にも適しています。DJIのコンシューマー向け機体としては、もっとも高いスペックを持ちます。最大速度は92km/hなので、素早く動く対象物も問題なく撮影できます。
Parrot Disco
2枚の飛行翼を持つ、固定翼型ドローンです。ブーメランのようにして投げて飛ばします。最大飛行時間は45分と、ドローンの中でも飛行時間が長いです。
Hover Camera Passport
プロペラはメッシュの保護ケースで覆われており、物体に衝突してもプロペラ破損を防げます。人にぶつかっても安全です。折りたたんでコンパクトにして持ち運べます。
おわりに
多くの分野で活用が進むドローンは、さまざまな分野で“不可能”だったものを“可能”にし、作業にかかる日数・費用などのコストダウンに貢献しています。それは土木・建築分野も例外ではありません。
しかし、ドローンが飛行するとなれば墜落の危険性はゼロではありません。もし墜落事故が起こってしまえば、ドローン自体やドローンが輸送する荷物が地上の人や自動車、建物に被害を与えることも考えられます。
そのような事故を起こさないよう、ドローンの活用においては安全面に十分配慮する必要がありますが、人材不足が叫ばれる日本でもドローンの活用はどんどん進み、さまざまな分野で期待を背負う存在になるでしょう。