中古住宅を購入して解体するときのポイント3つと注意点3つ

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土地を購入して家を建てたいけれど、いかんせん地価が高くてなかなか手が出ない……、こんな思いを持ったことがある方も少なくないのではないでしょうか。

そんなときに目に入るのが、「古家付き土地」「中古戸建て」といった不動産物件です。建物込みの土地は何もない更地よりも高額な傾向にあると思われるかもしれませんが、中には土地だけの不動産物件より安価で売りに出ていることも。

そうした物件を購入することができれば、建物を解体してからその土地に新たに家を建てる……という選択肢が生まれます。しかしその場合には、まっさらな土地を購入して家を新築する場合にはない注意点もあります。

古家付き土地と中古戸建てについて

不動産情報で「古家付き土地」「中古戸建て」といった物件を見かけると、「古家」と「中古住宅」にどのような違いがあるのか……?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実はこれらには明確な区分はないんです。

これは、不動産広告の表記ルールとしては「土地」か「中古戸建て」のいずれかを用いるべきとされているものの、俗称として「古家付き土地」という表記がされるようになり、結果として「土地 ※現況古家あり」などのように謳われだした……というだけなのです。

そして、売り出す物件を「古家付き土地」と表現するか「中古戸建て」というかはケースバイケースで、売り主や不動産会社がその基準をそれぞれ定めているのだとか。

その傾向としては、築年数がかなり経過している住宅や修理しなければ住めないような住宅の場合は「古家付き土地」、平成に入ってから建てられた住宅などまだ住むことも十分可能な住宅の場合は「中古戸建て」……のように区別されることが多いみたいです。

中古住宅を解体する際のポイント

「古家付き土地」「中古戸建て」の不動産を購入してから家を新築しようと考える場合、まずはその住宅を解体する必要があります。解体には費用がかかり、その解体費用は土地の立地や建物の構造などによって金額が異なります。

したがって、物件自体の購入価格が多少安価であっても解体費用が嵩んでしまうと、かえって高くついてしまうということにもなりかねません。そうならないようにするためには、解体費用を極力抑えることを考える必要があります。

解体費用を抑えるためのポイントとしては、次の3つを参考にしてください。

ポイント1

家の新築を依頼するハウスメーカーや工務店に解体作業を任せきりにせず、自ら解体事業者に見積もりをとるなどして費用を比べてみましょう。

ハウスメーカーや工務店を介して解体事業者に解体を依頼する場合には中間マージンが発生しますが、自分が解体事業者に直接依頼すればそうした手数料を削減できます。

ポイント2

解体工事を売り主が行ったうえで売ってもらえないか、交渉してみましょう。

築浅物件が中古戸建てとして売り出されているようなケースでは難しいことも多いですが、古い住宅で買い主の解体が前提となるような土地の場合は、交渉の余地が得られることもあります。

ポイント3

解体工事で建物を壊したら、「建物滅失登記」という手続きが必要です。この登記手続きを司法書士などに委任すると手数料がかかりますが、自分で行えばその費用をかけずに済みます。

中古住宅を解体する際の注意点

中古住宅を解体して家を新築しようと考える場合、更地を購入して新築するケースとは異なる注意点があります。

こちらもポイントを3つご紹介しますので、参考にしてください。

ポイント1

古住宅を解体したあとに新たに家を建てることができない、「再建築不可物件」というものがあります。

購入した物件が再建築不可物件である場合、新築に建て替えることができなかったり、可能だとしても新しく建てる家に条件が生じたりすることがあります。このような点を購入前に必ず確認しておきましょう。

ポイント2

購入した土地の地中に、コンクリートやごみなどが埋まっていることがあります。このような地中埋設物をそのままにして家を新築することはできず、撤去作業が必要になりますが、埋設物の内容によっては高額な撤去費用がかかってしまうのです。

解体工事や新築工事の過程で地中埋設物が発見された場合の対応について、契約前にあらかじめ確認しておきましょう。

ポイント3

解体、新築、地中埋設物の撤去……。解体・新築には何かと費用がかかるのは皆さんお分かりいただけましたでしょうか。

もちろんそうした費用を極力抑えるような努力はすべきですが、あまりに安い見積もりを提示するような会社には注意が必要です。悪徳業者も少なからず存在しますので、費用だけを見るのではなく、信頼できる会社を選びましょう。

おわりに

「不動産に掘り出しものはない」という言葉があります。安い物件には、必ず安い理由があるのです。「古家付き土地」「中古戸建て」を購入して住宅を解体し、そのうえで家を新築するという選択肢にも、メリットもあればデメリットもあります。

物件購入価格の割安感だけにとらわれることなく、解体費用をはじめとする注意点や総合的なリスク・デメリットもきちんと理解したうえで、よく考えて決めるようにしましょう。

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