解体する前に売却しよう! 相続した空き家などを売却する前に必要なこと教えます。

Pocket

地元の家を相続したもののすでに他の地域で生活基盤を築いており、今後も住み替えるのは難しそうだ…。このような事情を抱える方は珍しくありません。そうした場合に、空き家をそのまま放置しておくのはもったいないですし、法律の面からも得策ではありません。

そこで考えるのが、空き家の活用です。売却するか、賃貸に出すか、更地にして別の活用を考えるか……空き家の活用方法は、その立地条件や家屋のコンディションによってさまざまです。しかし、どのような活用をするとしても、必要なプロセスがあります。

売却するか? 貸し出すか?

空き家の活用方法として代表的なものを挙げると、基本的に家屋をそのままにした状態で売却するという選択肢と、同じく空き家をそのまま賃貸に出すという選択肢、家屋を修繕・リフォームして賃貸経営を行うといった選択肢があります。

売却するという選択肢の場合、家屋の解体なども行わないで済むため金銭的・労力的な負担も少なく、比較的早いタイミングで着手することができます。加えて、売却が成立すれば、その家屋・土地にかかっていた固定資産税を支払う必要もなくなります。

立地条件のいい空き家や、家屋のコンディションがいい状態である場合には、賃貸に出すという選択肢も有効です。思い入れのある家屋をそのまま残しておくことができるというメリットもあります。ただし、長年住んでいた空き家では事前に家屋の修繕やリフォームが必要になることが多く、ある程度まとまった初期投資が必要となります。

まずは空き家の片付け

売却するとしても賃貸に出すとしても、あるいは家屋を解体して更地にするとしても、まず必要になるのは空き家となっている家の内外を片付けることです。室内の家財道具や室外の物干し竿、道具箱などを整理して、必要なものと不用品に分類しましょう。

不用品と判断したものは、家庭ごみとしてごみ回収に出す、粗大ごみとして回収を依頼する、民間の不用品回収業者に依頼する、リサイクルショップやフリーマーケットなどで売却するといった対応をとります。

住宅から出たごみは、基本的には「家庭ごみ」として自治体に回収してもらうことができますが、家庭ごみの分別や回収可能な範囲は自治体によって異なります。粗大ごみとして有料で回収を依頼することになるものもありますので、自治体ごとのルールを必ず確認しましょう。

冷蔵庫やテレビなどの家電リサイクル法で定められた廃棄物は、法律に基づいた処分を行うことになり、数千円ほどの料金を支払うことが大半です。まだ使えるようなものであれば、リサイクルショップやフリマアプリなどで売却を考えるのもいいでしょう。

必要書類を揃える

空き家を売却する、賃貸に出す、解体して更地にするといった場合、いずれの選択肢にしても何らかの契約行為が必要となりますし、家屋や土地の状態を書面で示す必要に迫られることもあります。そうしたことに備えて、家屋や土地煮関する書類を集めておきましょう。

基本的に必要になるのは、「登記簿謄本(登記事項証明書)」「登記済権利証・登記識別情報」「固定資産税納税通知書(課税明細書)」「物件状況および付帯設備などの確認書」といった証明書です。土地・家屋の権利関係や土地の境界に関する書類も揃えておきたいもの。

そのほか、家屋をそのままで売却・賃貸する場合には、住宅の性能を証明していい物件であることをアピールしなければなりません。特に注目されるのは耐震性能。そうしたこともお手元の書類に記載があるかどうか、合わせて確認しておくといいでしょう。

おわりに

空き家の活用方法は本当にさまざまで、家屋をそのままにして売却・賃貸に出すだけではなく、更地にして売却する、駐車場にするといった選択肢も。家屋をそのまま残しておくとしても、商業施設や別荘として転用するといった選択肢もあります。

どのような活用を行うにしても、家のなかに置いてある家財道具や家の外に放置されている道具箱や物干し竿などをすべて片付けなければなりませんし、その後の手順を進めるためには揃えておくべき必要書類もあります。そうしたことを理解しておくことで、空き家の有効活用を考える際にも必ず役に立つでしょう。

関連する記事