粉塵トラブル多発! 解体工事で発生するトラブルの多くには粉塵問題がある
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解体工事を行う際には、近隣に迷惑をかけることのないよう適切な準備を施し、細心の注意を払って行います。それでも多少なりとも騒音や振動は生じてしまうものです。そしてもう一つ、解体工事につきものなのが「粉塵」です。
解体工事では残念ながらトラブルが起こることも少なくありませんが、その原因に関連することの多い要素に挙げられるのが、この粉塵です。粉塵とはどういうものなのでしょうか。また、解体工事で起こり得る粉塵被害とはどのようなものなのでしょうか。
粉塵とはどんなものを意味するのか?
「粉塵」とは、空気中に飛散する、粉のように細かい粒子を指します。粉塵にはさまざまな種類があり、有害物質として有名なアスベスト(石綿)の健康被害もアスベストの粉塵が空気中に飛散することにより起こります。
「大気汚染防止法」では、人の身体に何らかの悪影響を及ぼす懸念がある粉塵を「特定粉じん」とし、そのほかの粉塵を「一般粉じん」と区別しています。前述のアスベストの粉塵は「特定粉じん」に指定されています。
解体工事においては、建物を取り壊す過程で壊した建材の破片や埃などが粉のように細かくなり、空気中に飛散することが非常に多くなります。工事の際、粉塵の飛散を極力抑えるよう対策をとる業者が大半ですが、それでも解体工事から粉塵を完全に取り除くのは難しく、どうしても粉塵は生じてしまうものなのです。
解体工事の粉塵被害とは? 人体に与える影響について
そうして解体工事で生じた粉塵が空気中に飛散すると、人が吸い込んでしまいます。粉塵を吸い込んだらすぐに何かの被害が出るということとは限りませんし、砂埃程度の粉塵であれば多少吸い込んでしまっても大きな被害はないと考えられます。
しかし、乳幼児や高齢者などが吸ってしまうのは避けたほうが安心です。アレルギー体質の方が粉塵を吸い込み、その粉塵にアレルゲンが含まれていると、くしゃみなどのアレルギー症状が出る恐れもあります。
さらに、アスベストのような有害物質を吸い込んでしまい、それが体内に蓄積されてしまうと、最終的に重大な健康被害を引き起こす危険が生じます。「たかが埃」と思っていると、非常に危険なのが粉塵です。
解体業者の粉塵対策について
法律によって、解体工事にはさまざまな制約が課されていますが、解体工事で出る粉塵の量などについては特に定めはありません。しかし、解体工事での粉塵輩出を最大限食い止め、工事を安全に行うことは、工事の依頼主や近隣の住民の方、そして工事作業員にとっても大切なことです。
そのため、解体工事を行う事業者(解体業者)は、解体工事を行うにあたってはさまざまな粉塵対策を施します。たとえば、住宅が密集した場所で解体工事を行うにあたっては、建物を養生シートで囲ったり、解体場所に散水して粉塵の飛散を防止したりといった対策を万全に行います。
加えて、アスベストに対しては、解体工事の前に事前調査を行ってその使用の有無を明らかにし、もしアスベストの使用が確認された場合はその飛散を必ず食い止めるべくていねいにアスベストの除去作業を実施することになります。
合わせて行うことが多いのが、近隣の住民の方々へ事前のご挨拶と作業のご説明です。解体工事を行う以上、どれだけ準備をしても近隣の方々にはどうしても迷惑をかけることになってしまいます。
そこで、事前に挨拶にうかがってご迷惑をかけることのお詫びを伝え、作業期間や内容を説明して理解を得ておくことで、感情的な問題やのちのトラブルを未然に防ぐのです。
おわりに
解体工事で発生するトラブルといわれてまず思いつくのは、騒音や振動といった問題であることが多いでしょう。ところが、粉塵の飛散によるトラブルも実際には数多く存在します。
解体工事で排出される粉塵をゼロにはできませんが、極力おさえるための対策は必須。さらに、近隣への事前の挨拶でお互いに気持ちよく工事を進められる土壌をつくっておくのは大切なプロセスです。
工事を依頼する施主の立場になる方にとっては、粉塵対策や近隣の方々への配慮などをきちんとしてもらえる信頼できる解体業者を選定することが何より重要といえるでしょう。