空家を解体! 次は土地活用? それとも売却? それぞれのメリット・デメリットを解説

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日本全国で、空き家の増加が深刻化しています。実家を相続したもののすでに別の都市での暮らしがあり、その家に戻る予定がないといったケースでは、空き家が放置されたまま老朽化が進行してしまいます。そうした空き家が、景観面や衛生面、防犯面などの観点で、地域に悪影響を及ぼす懸念が増加しているのです。

そこで、そうなる前に空き家を解体しようと考えた場合に生じるのが、空き家を解体したあとの土地を有効に活用するか、売却するかという選択肢です。そして、これらの選択肢にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

空家を解体した後に注意したいこと

空き家の解体にあたってまず考慮しておきたいのが、土地や家といった不動産の所有者に課税される固定資産税です。空き家を解体すれば、家にかかっていた固定資産税はなくなりますが、反対に土地にかかる固定資産税は増えることになります。

家が建っている土地については固定資産税の軽減措置を受けることができ、200平方メートルまでの土地であればその税額は更地の6分の1、200平方メートル超の土地では超えた部分の税額は更地の3分の1になっています。しかし、空き家を解体すれば、この軽減措置が受けられなくなるためです。

ただし、土地の故知資産税が6倍になるかといえば、そうとは限りません。空き家の解体による固定資産税の増減を試算してみるといいでしょう。

また、登記している建物を取り壊した場合には、建物滅失登記の手続きが必要となります。これを行わないと、家にかかっていた固定資産税を解体後も支払い続けることになりかねませんので注意しましょう。

土地活用するメリット・デメリット

土地活用の選択肢としては、月極駐車場として貸し出す、コインパーキングにする、トランクルームにする、アパートを建設して賃貸経営を始めるなど、実にさまざまなものがあります。

こうした土地活用に共通する大きなメリットは、定期収入を生み出すことができる点でしょう。どういう活用をすればいいかはその土地の立地などによって異なりますが、土地のポテンシャルを最大限に生かす方法で活用できれば、生み出す収入を大きくすることにつながります。

駐車場やコインパーキングが近くに存在しないといった地域に足りないものを補うような土地活用が実現できれば、地域貢献にもなります。しかし、いずれの選択肢をとるにしても準備のためには初期投資が必要ですし、用途によっては固定資産税もさらにかかります。

駐車場にしても賃貸アパートにしても、つくれば自動的に収入が得られるというものではありません。収益を生み出すにはしっかりと計画し、顧客を確保するためのさまざまな対応が必要です。

売却するメリット・デメリット

土地を売却するメリットは、手早く大きな収入を得ることができる点です。土地活用には費用も手間もかかりますが、そうしたコストを極力少なくして現金収入につなげたいと考える方には、土地の売却は適している選択肢といえます。現金収入であれば分割もしやすいというメリットもあります。

とはいえ、土地の売却も実際にはそれほど簡単なことではありません。所有者はできる限り高額で売りたいと考えるものですが、買い手がつかなければ最終的には価格を下げざるを得ないということもあります。売り急ぐケースではなおさらです。

空き家の解体には取り壊し工事や家財撤去などの費用がかかりますが、売却にはさらに仲介手数料や譲渡所得税などがかかることになります。そのため、売却価格がまるまる手元に残るわけではないのです。

この点についても、土地がいくらくらいで売却できるか、その場合にいくらぐらいの必要がかかるかを試算してみるとわかりやすくなるでしょう。

おわりに

生まれ育った実家や親御さんが住まわれていた空き家を解体するのはしのびなく、なかなか解体にふみきれないという方も少なくありません。しかし、空き家を放置しておくとさまざまな問題が生じることになります。

最終的に空き家を解体するのであれば、そのあとの土地を有効に生かしたいものです。土地活用にも売却にもメリット・デメリットがあります。空き家を解体したあとの土地をどうするかは、そうした要素を考慮しながら、家族で話し合うことが大切でしょう。

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