解体前にまず確認を!アスベストの調査の重要性と撤去業者について紹介します
解体工事を依頼するなら!読んでおきたいお役立つコンテンツ
耐火性や防音性などのさまざまな機能を備えながら安価で使うことができた「アスベスト(石綿)」は、かつては「奇跡の鉱物」とさえいわれ、建築資材として活用されてきました。しかし、細かいアスベストの繊維(粉塵)が体内に入ってしまうと、咳や呼吸機能の低下、肺がんなどの重い健康被害が起こり得ることが判明しています。
そうした事情から現在は使用が禁止されているアスベストですが、昔建てられた建物にはアスベストが使われたままになっています。誰も住まなくなった空き家などを解体しようと考えたら、解体工事を行う前にはアスベストの使用状況を確認する必要があるのです。
この年代に建てられた物件には気をつけよう
アスベスト使用に関する最初の規制は、1975年にさかのぼります。そこで規制されたのは、「アスベスト含有量が5%超のものを吹き付け作業に使ってはならない」というもの。それから20年経った1995年には、含有量1%超の吹き付け作業が禁止となりました。
2004年には規制が吹き付け作業以外に波及し、含有量が1%を超える製品の製造・輸入・提供・譲渡・使用が禁止されました。最終的に、アスベスト含有量0.1%超の製品が製造・輸入・提供・譲渡・使用禁止となり、アスベストは使用されなくなっていったのです。
したがって、建物が建てられた年代が古いほど、アスベストを多く含む製品が使われていた可能性があるということになります。
調査方法
アスベストが使われているかどうかといったことは見た目だけではわからず、専門知識のない方が判断するのは困難です。そのため、専門の調査期間などによる調査をすることになります。
目安となるのは、前述の建築年と、もう1つが建築時の設計図面です。図面に記載されている竣工年や使われた建築資材、吹き付け作業の実施時期などを確認して、アスベストの使用判断に利用します。それでも、図面にすべての情報が載っているとは限りません。
最終的には、現地調査を行います。建物の壁や天井などを目視で確認。吹き付け材などの建築資材のサンプルを採取して科学的に分析し、アスベストが含まれているかどうか、含まれている場合どのぐらいの量が含まれているかということを確認するのです。
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アスベストが使用されていることが明らかになった場合、法律に基づきアスベストの撤去・除去を行うことになります。粉塵の吸引が健康被害をもたらすアスベストは、その撤去・除去作業も簡単なものではなく、法律によって手順が厳しく定められています。
建物の解体を前提としてアスベストの撤去・除去を行う際には、解体工事をお願いする会社(解体業者)をとおしてアスベストの撤去・除去を行う会社(アスベスト撤去業者)に依頼することも可能です。ただし、業者をとおして依頼すると中間マージンが上乗せされるため、費用がかさんでしまいます。
その点を考えると、解体工事とアスベストの撤去・除去作業をわけて個別に依頼するという選択肢もありますが、アスベストの撤去・除去と解体工事は作業上の連携が不可欠です。解体業者とアスベスト撤去業者の連携がうまくいかないと、トラブルにつながってしまうことも考えられます。
解体業者とアスベスト撤去業者を無料で一括紹介してもらうことができるWebサイトや、複数業者の見積もりを比較検討できるWebサイトなどもありますので、参考にするといいでしょう。
おわりに
かつては建築資材として活用され、多くの建物に使われてきたアスベストは、吹き付け剤としてだけでなく床や天井、外壁といった成形板にも含まれており、その種類は実に数千種類ともいわれています。それらが使われている建築物で安全に解体工事を行うためには、法律で定められた手順を守り、適切に処理を進める必要があります。
それだけ、アスベストの健康被害は深刻であるということです。安全に解体やアスベストの撤去・除去を進めるためには、解体工事の前に必ずアスベストの利用状況の調査を行うようにしましょう。よくわからないという場合は、解体業者や専門の調査期間、自治体などに相談してみるのも有効です。