いつか役立つ日が来る!一軒家を解体するのにかかる費用と坪別解体費用について

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空き家の増加が深刻化する日本では、親や親族から相続したものの住む予定のない家や、誰もいなくなった実家をなんとなくそのままにしているケースなどが少なくありません。空き家でも住宅が建っていることで、所有者には固定資産税の優遇措置を受けられるというメリットもありました。

しかし、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」が施行され、問題のある空き家が「特定空き家」に指定されるデメリットが広まると、空き家の解体を考える方も増えてきました。一軒家(戸建て住宅)を解体するには、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。

一軒家の解体方法

一般的に、一軒家を解体する場合、まずは「養生」することから始まります。解体工事に際しては木片などが飛散したり埃が舞うため、そうしたものが近隣に及ばないように解体する家を囲い、防音や防炎のためのシートを設置します。合わせて、解体に必要な足場を組んだりもします。

そうして養生が完了したら、次は不要なものを撤去。家のなかにある不用品、設備や内装材、屋根に使っていた瓦、家の外に置いたままになっていたブロックや庭木などを撤去します。それらは最終的に分別して処分する義務があるので、材質ごとに区分しながら作業を進めます。

本番の解体作業には重機を用いることが多く、ユンボなどを使って建物を一気に取り壊します。この作業のとき非常に埃が出やすくなるため、散水して埃を抑えながら作業を進めることになります。最後に、解体で出た廃棄物や細かい木くずなどを取り除いて整地し、周辺の道路などの清掃を行って、解体工事は完了となります。

坪数別の解体費用

解体工事にかかる期間は立地や作業内容によって異なりますが、事前の手続きや不用品の撤去に1週間から10日、解体作業に1週間から10日というのが目安。その前には、解体工事を依頼する会社を選定して見積もりをとり、契約を交わす期間も必要になりますから、スケジュールに余裕をもって着手するようにしましょう。

そして、一軒家の解体にかかる費用の相場も千差万別ですが、日本各地のさまざまな木造家屋の解体事例における解体費用を見てみると、次のような費用がかかっていました。

・20坪未満の家屋の解体費:25万円から60万円程度が大半
・20坪台の家屋の解体費:およそ7割程度が50万円から100万円
・30坪台の家屋の解体費:およそ5割程度が100万円から120万円、3割程度が120万円から150万円
・40坪以上の家屋の解体費:4割程度が100万円から150万円、3割強が150万円から200万円と、坪数がさまざまであることから費用もばらつきが目立つ

解体費用の内訳

前項で挙げた事例の解体費は純粋な解体費の部分で、解体にかかる費用総額の一部です。実際には解体費のほかにも、「付帯費用」と呼ばれるさまざまな費用がかかることになります。先に、一軒家の解体手順を説明しましたが、解体工事に際して行う養生作業には「養生費」がかかります。解体工事に使う重機を運搬する「運搬費」も必要です。

家の内装材や設備、庭石や庭木などを撤去するためには、撤去作業の費用に加えてそれを廃棄処分するための費用もかかります。解体工事の廃材をリサイクルできれば処分費用が多少安くなることもありますが、廃棄物として処分することになる分には、やはり処分費用が必要です。

解体工事のための重機やトラックをとめておくスペースがない場合は、コインパーキングなどの駐車場の費用がかかりますし、不要となった家財道具の処分もお願いするとなれば料金の追加があります。解体を請け負う会社に見積もりをもらう場合には、解体作業の費用だけでなく、そうした付帯費用も忘れずに確認しておきましょう。

おわりに

一軒家の解体工事と一言で言ってもさまざまなケースがあります。建物の構造や面積はもちろん、解体する建物がどのような立地にあり、どの程度解体工事がしやすいかといったことによっても、解体にかかる期間や費用は大きく異なってきます。

解体を考えたら、まずは複数の解体業者に現地調査を依頼し、見積もりを出してもらって比較してみるのが確実です。見積もりの記載も、項目1つ1つを明示してくれる会社もあれば、合計金額しか伝えないようなところもあります。相見積もりをとって比較することで、そうした違いと、本当の相場観がつかめるようになるでしょう。

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