その解体業者は資格有り!?解体工事業経過措置についてわかりやすく解説します。
解体工事を依頼するなら!読んでおきたいお役立つコンテンツ
- 解体工事業は資格が必要なの?
- 解体工事業新設って?
- 許可を取るにはどうすればいいの?
解体工事に関わるさまざまな問題を受けて、解体工事業許可が新設されました。
本稿では、解体工事業新設に関わる上記のようなさまざまな疑問はもちろんのこと、新設にあたっての経過措置についてもお答えしていきます。
目次
解体工事業新設とは?
解体工事業新設に関するポイントは以下の3つです。
- 解体工事をするには「解体工事業」の許可が必要
- 「解体工事業」の許可は「新設された」ばかりなので「解体工事業新設」という
- 「解体工事業」の許可を取るには2つの要件をみたす必要がある
解体工事業の許可とは、資格のようなものです。許可を持っていないと基本的に解体工事を行うことができません。詳しく確認していきましょう。
解体工事をするには「解体工事業許可」が必要
建設などの工事をするには、「建設業許可」と総称される工事の「許可」が必要になってきます。この「建設業許可」とは、その業種のスペシャリストであることの証のようなものです。
「建設業許可」は29種類の業種区分に分類されていて、行う工事の種類に応じた許可が必要になってきます。
たとえば、屋根をふく工事を行うなら「屋根工事業許可」が、上下水道の工事を行うならば「管工事業許可」が必要になります。
そして、解体工事を行うのならば、「解体工事業許可」が必要になってくるのです。
「解体工事業許可」は「新設された」ばかりなので「解体工事業新設」という
さて、解体工事を行うには、解体工事のプロであることを証明する「解体工事業許可」が必要です。しかし、実は解体工事に「許可」が必要になったのは、平成28年になってからのことなのです!
それ以前は、「解体工事業」の許可が存在しておらず、以下の許可を得ていれば、工事をすることができていました。
- とび土工工事業
- 土木工事業
- 建設工事業
つまり、別分野のスペシャリストであっても解体工事を行うことができていたのです!
しかし、解体工事現場で重大事故が起きたり、産業廃棄物不法投棄による有害物質が発生したりと、解体工事に関するトラブルが多発しました。
これらの問題が起きたことを背景に、解体工事にもスペシャリストが必要なのではないかと議論されるようになり、新たに許可の業種として「解体工事業」が新設されたのです。
「解体工事業」の許可を取るには2つの要件をみたす必要がある
新設されたばかりの解体工事業許可を取るには以下の2つの要件を満たさなくてはなりません。
①解体工事の現場を管轄する都道府県の登録を受ける
②技術管理者を配置する
この条件を満たしていなくては、許可が下りず、基本的に解体工事を行えません。
ただし、すべての解体工事ができなくなるわけではありません。請負金額が500万円に満たない小規模な解体工事は許可がなくとも施工をすることができます。
今年5月に終了した「経過措置」について
500万円以上の解体工事を行うには新たに設置された「解体工事業」の許可を取らなくてはなりません。しかし、法が改正されてもすぐに適応することは難しいでしょう。
そのため、「とび・土工・建設工事の許可で平成28年の5月まで解体工事を行ってきた業者」に限って、以下のような「経過措置」が適応されています。
- 平成31年5月までは「解体工事業」の許可がなくとも、「とび・土工・建設工事」の許可があれば解体工事を行うことを許可する。
- 平成28年5月までの「とび・土工・建設工事業」の経営業務管理者の経験は、解体工事業の経験とみなす。
- 平成33年3月までは「とび・土工・建設工事」の技術者も解体工事業の技術者とみなす。
法が施工される以前の解体工事業の経験は保護されます。さらに、平成31年の5月までは「解体工事業」の許可がなくともこれまで通り業務ができ、技術者も平成33年3月までは解体工事業の技術者として扱ってもらえるわけです。
あなたの依頼した解体業者は大丈夫?
解体工事業許可が新設されましたが、解体工事業者の中には悪質な業者も少なからず存在しています。見極めのポイントは以下の3つです。
まずは解体工事業許可を取得しているか確認を!
解体工事業許可が新設されたにも関わらず、いまだに取得していない業者が存在します。
解体工事業許可は、解体の専門家であることの証です。ですから、許可が取れている業者はひとまずは安心できます。
解体工事業者の担当者に許可のコピーを見せてもらうか、解体工事が行われる土地の役所に許可情報の照会をお願いしましょう。
マニフェストを発行しているか
マニフェストとは廃棄物を廃棄物処理業者に引き渡す際に発行する書類のことです。
マニフェストを発行していない業者は不法投棄をしている可能性がありますから注意が必要といえるでしょう。逆に、マニフェストを発行している業者はきちんと廃棄物を処理している適正な業者であるということができます。
行政処分履歴・指名停止履歴がないかを確認する
解体業者が何らかの違法行為をした場合、「行政処分履歴」「指名停止履歴」というものが残ります。
役所で「○○という解体業者には、行政処分履歴や指名停止履歴がありますか」と尋ねることで確認可能です。これらの違法履歴がある業者だった場合は注意が必要といえるでしょう。
以上の3つで確認できますが、さらに念を入れるならば業者名でネット検索をして口コミなども確認しておくと良いでしょう。
まとめ 安心して工事を進めるためにも許可を取っている業者に依頼しよう!
平成28年に新設された「解体工事業許可」は、解体工事のプロであることを証明する資格のようなものです。許可がなくとも500万円未満の解体工事は可能なので、なかには取得をしていない業者も存在します。
解体工事業許可を取るには、「技術者の配置」などの厳しい要件があります。これらの要件を満たすことのできている業者ならば、まずは安心して解体を依頼することができるでしょう。
解体工事業者を選択する第一の見極めポイントとして新設された「解体工事業許可」の確認を取るようにしてください。