解体工事と地盤改良はセットで考える 地盤改良の費用と杭抜きの関係性について
解体工事を依頼するなら!読んでおきたいお役立つコンテンツ
- 地盤改良が必要な土地とは?
- 地盤改良の調査とは?
- 地盤改良と杭抜きは関係があるの?
本稿では、これらの地盤改良に関する疑問にお答えします。
地盤改良とは、軟弱な地盤を住宅などの重みに耐えられるように改良する工事のことです。解体工事をした後の土地に新たに建物を建てる場合に必要となることが多くあります。
調査結果によっては不要になることもありますが、解体工事をするならば地盤改良もセットで考えておいた方が良いでしょう。
目次
地盤改良が必要な土地とは
地盤改良か必要か否かについてのポイントをまとめると以下の通りです。
- 地盤改良が必要かは地盤調査によってわかる
- 地盤調査は法律によって義務づけられている
- 杭抜きをするなら地盤改良は必要
地盤改良は、「地盤調査」をすることで必要かわかります。ただし、杭抜きをするのならば地盤改良は必要になってきます。これらのポイントを確認していきましょう!
地盤改良が必要かは地盤調査によってわかる
地盤改良とは、軟弱な地盤を、家などを支えられる強度のものに改良することです。
地盤の強度は、地盤を形成する砂の形状から判断できます。泥や多くの水を含んだ粘土質の地盤は軟弱とされ、逆に、岩盤や砂礫(されき)を多く含んだ地盤は強いです
建設予定地の地盤が強いか弱いかは調査によってしかわかりません。隣接する土地の地盤が強かったとしても、自身の土地も強いとは言い切れません。
ですから、地盤を調査し、強度を確かめて、改良が必要かを判断する必要があるのです。
地盤調査は法律で義務づけられている
実は、地盤改良の調査は法律によって義務付けられています。
東日本大震災のときに、液状化などの地盤問題が多発し、大きな被害が発生しました。この事態を受けて、法律が改正されたのです。
「瑕疵担保履行法」という法律によって、建築物の地盤の沈下や変形がないかを確認することが義務付けられています。
地盤改良の必要性を探る材料にもなりますし、「地盤調査」を行わずに解体工事後の空き地に建物を建てる法律違反にもなりますから、調査は必ず行いましょう。
杭抜きをしたならば地盤改良が必要
解体にあたって「杭抜き」をしたならば地盤改良が必要になってきます。
杭とは、金属などの棒のことです。これを打ち込むことで、地盤の弱い土地を支えることができ、建物の重さに耐えられる地盤にすることができます。
この杭ですが、杭が残っている土地は地価がさがることが多いです。さらに、解体後に新たな建物を建てるときに杭が邪魔になることもあります。
そのため、解体工事にあたって杭を抜くことが多いのです。しかし、杭を抜いてしまうと、これまで地盤を強化してきた支えがなくなるわけですから、杭に代わる支えが必要になります。
そのため、杭抜きをしたならば地盤改良をして弱い土地を強くする必要が出てくるのです。
杭抜きと地盤改良はセットで考えましょう。
地盤調査の流れと費用について
さて、地盤改良が必要かを確認できる「地盤調査」の方法は大きく3つあります。それぞれの流れと費用をまとめると以下の通りです。
SWS試験
木造住宅を建築する際に利用されることの多い調査方法です。
土地の深度10mまでの地盤の強度を測定することができます。キリ状になっている器具に負荷をかけて、ハンドルを何回転させられるかによって強度を導き出します。
費用は5~10万円で、時間も数時間しかかかりません。
ボーリング調査
大型の建物を建てる場合に利用される調査です。
約63キロの重りを76センチほどの高さから、先端にサンプラーが付いたロッドの上に落下させます。そして、サンプラーがどれくらい地面にめり込むかを基準にして、地盤の強度を測定していきます。
費用としては20~30万円ほどかかります
表面波探査法
地表の表面から地中に振動波を与えて強度をはかります。
石などの異物に関係なく正確な測定結果を算出することが可能です。
費用は15万円ほどかかります。
これらの測定結果で問題があれば、地盤改良が必要になります。
気になる地盤改良の費用と工事の流れについて
地盤改良の工事方法は大きく3つあります。それぞれの流れと費用をまとめると以下の通りです。
表層改良工法
建築物を支える地盤の深さが3~4メートル程度の場合に使われる工法です。
工事の流れとしては、地盤が弱い部分の土を掘り出して、セメントを混ぜ合わせて強化します。
工事にかかる日数は2日程度。工事費用は1坪あたり2万円程度です。
柱状改良工法
大きな建築物を建てる必要があり、その建築物の支持層の深さが4~7メートル程度ある場合に用いられる工事方法です。
工事の流れとしては、建築物の重みが多くかかると思われる場所を割り出し、その真下部分にコンクリートの柱を埋め込みます。
地中にコンクリートの柱を建てるわけですから、大掛かりな工事が必要です。工期は一週間で工事費用も1坪あたり5万円ほどかかります。
鋼管杭改良工法
大きな建物を建てる必要があり、支持層が7メートルよりも深い場合に用いられます。
工事の流れとしては、鋼でできた太い杭を深い地盤まで貫入させ、その杭で基礎を支えていきます。
工期は1~2日で、費用は1坪あたり5~7万円ほどかかります。
まとめ 地盤改良の費用などもきちんと意識しておこう!
地震などにも負けない安心した住まいを手に入れるにはしっかりとした「地盤」が必要になってきます。
解体後の土地をきちんと利用するためにも、地盤改良のことはきちんと意識しておきたいものです。
地盤改良が必要かは調査によってわかります。しかし、建物や土地を支えていた杭を抜いてしまったのならば、地盤改良が必ず必要になってきます。
地盤調査の結果や建てる建造物の大きさなどで地盤改良の費用は異なってきますから、しっかりと地盤改良費用を予算に組み込むようにしましょう。