旗竿地とはどんな土地? 特徴や解体工事での注意点を解説

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家を建てるために土地を探していたら、掘り出し物の安い土地が見つかった…そんなときに目にしやすいのが「旗竿地」という土地です。旗竿地は特殊な土地であるため、周辺の土地の相場に比べて安い価格で売りに出されていることも少なくありませんが、それだけに気をつけるべき点もあります。

そうした旗竿地に住んでいた方が、今度は家屋を解体しようとすることもあるでしょう。旗竿地は、解体工事を行う際にも注意しておかなければならない点があります。旗竿地とはどのような土地で、どのような点に気をつけるべきなのか、みていきましょう。

旗竿地とは? 読み方は?

「旗竿地」とは「はたざおち」と読み、その名のとおり、旗竿のような形になっている土地を指します。「敷地延長」「敷延(しきえん)」と呼ばれることもあり、住宅では道路から伸びる細長い“竿”の部分を敷地専用の通路や駐車場にして、その奥にある“旗”の部分に家を建てるといった使われ方が一般的です。

旗竿地は、もともと1つの土地だったところを、複数の家を建てやすいように効率よく土地を分割した結果生まれるものです。土地を単純に二分すると2つの細長い土地になって使い勝手がよくないため、旗竿地と整形地という形に分けて最大限に利用できるようにするというわけです。

旗竿地は、整形地に比べて形が複雑であるため、坪単価は相場より安くなります。また、住宅が密集する都市部などに多く見られ立地がいい旗竿地もあることから、そうした土地を探している方にとっては魅力的な選択肢となり得るのです。

旗竿地で解体工事をする際の注意点

古家付きの旗竿地を買って新たに家を建てたり、これまで住んでいた家を建て替えるような場合には、旗竿地に建っている家屋を解体することになります。特殊な形状の旗竿地は、解体工事を行ううえでも注意すべき点があります。

旗竿地の通路部分は狭く、2メートルほどしかないことも珍しくありません。解体工事を行うにあたっては重機を使うのが一般的ですが、2階建て家屋を解体するのによく使われる重機は幅が2メートル以上ありますから、通路が2メートル以内だと搬入ができません。解体に重機を使うことができないと、人の手作業で解体せざるを得なくなります。

加えて、工事車両や廃棄物を積み込む車両なども何回も出入りすることになりますが、通路の幅が狭いとそれも大変です。廃棄物の搬出を考えても、もし通路にトラックを停めることができないとなると、トラックを別の場所に駐車して人の手で廃棄物をそこへ運び出さなければいけません。

通路に車を停められないため公道に駐車するとなると道路使用許可が必要になりますし、交通誘導員を配置する必要が生じるといったことも考えられます。そうしたことから、人件費などの費用が増え、工事の期間も長くなる傾向があるのです。

旗竿地での解体工事は近隣トラブルにならないよう気をつけよう

もう1つ、旗竿地で解体工事を行う際に注意しておきたいのが、近隣トラブルです。旗竿地は、近隣の住宅と距離が近く、四方を隣家に囲まれるようなこともあります。そのため、解体工事で出る騒音や振動が響きやすくなってしまうのです。

解体工事では、騒音や振動、粉塵の飛散といったものをゼロにすることはできませんが、そうした近隣への迷惑を最小限に抑えるべく慎重に工事を行う必要があります。そのうえで近隣とのトラブルを未然に防ぐためには、工事の前に挨拶にうかがい、事情を説明して理解を得るようにしましょう。

施主である自身と解体工事を行う会社の担当者で近隣の各戸にうかがい、どのような工事をいつからいつまで行うのか、何かあったときどこに連絡すればいいかといったことをていねいに説明します。その際には、説明内容を記したご挨拶の書面も持参しましょう。

おわりに

何事も、安いには安いだけの理由があります。旗竿地も、割安な価格や立地のよさといったメリットの反面、家を新築するにも解体するにも工事費用がかさむことは覚悟しておくべきでしょう。特に解体工事は、多くの方にとっては経験もほとんどなくイメージしづらいものですが、費用や期間だけでなく近隣トラブルが起こりやすいといったデメリットもあります。

そこで、旗竿地の解体工事を得意とするような解体業者を見つけることができれば、狭いところでも使えるような重機があったり、近隣への配慮を万全にして工事を行ってもらうことができます。そうしたノウハウと実行力をもつ解体業者を探すと心強い味方になるでしょう。

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