解体工事の救世主、「SK3500D」。他の重機を圧倒するその秘密とは
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個人の住宅から高層ビルまで、さまざまな建物を解体する解体工事は、人の手作業で行える範囲には限界があり、可能だとしても多くの時間がかかってしまいます。そこで、解体工事を効率的に進めるためには、「重機」の存在が不可欠です。
強力なパワーや人の手の届かないところまで作業するカバー範囲の広さで解体工事をスムーズに進める重機には実に多くのバリエーションがあり、解体する対象や周囲の環境によって使い分けることになります。
そんな重機のなかで注目を集めている存在の1つこそ、今回ご紹介する「SK3500D」。その実態に迫っていきましょう。
超大型ビルを解体する際に活躍する「SK3500D」
日本には、都市部を中心に数多くの高層ビルが建設されているのはご存知の通り。
一方、建物の老朽化や地区の再開発事業などに伴い、そうしたビルの解体は増加傾向です。高層化や高強度化などが年々進んでいるビルの解体作業は一筋縄ではいかないことも多く、従来の重機では対応しきれないケースも出てきています。
たとえば、25メートル程度(7階〜9階建て)のビルでは、油圧ショベルをベースにした解体用重機で地上から直接解体するという方法が一般的です。
ところが、それ以上の高さをもつビルとなると、クレーンを使って重機をビルの屋上まで運んだうえでビルの上部から解体を進める必要があり、作業の工数や日数がかさんでしまうことも。
そうした状況を受けて、建設機械や運搬機械の製造・販売を手がけるコベルコ建機株式会社が生産・販売している重機が「SK3500D」です。2005年10月に販売開始されたSK3500Dは、「超大型ビル解体専用機」を謳うだけあって、超高層ビルの解体で活躍する特徴を備えています。
SK3500Dの特徴
SK3500Dの最も大きな特徴は、なんといっても、解体専用機として世界一の作業高さ65.03mを実現したことです。
広スパン・低重心の足回りを採用するとともに数々の安全装置を装備することによって、地上高さ65m(およそ21階建てのビルに相当)でも地上から直接解体作業を行うことができるのです。そのため、安全で効率のいい解体工事が可能になりました。
SK3500Dのベースマシン本体は、油圧シリンダによるクローラフレーム分離システムを採用し、部位ごとに細かく分解することができます。したがって、分解輸送が行いやすく、作業現場への搬送がスムーズです。
また、解体する建物の高さに応じてアタッチメントを組み替えることで、質量12トンの圧砕機を搭載することも可能に。
これにより、超高層ビルだけでなく、中低層ビルの解体も効率的に実施できる重機として活躍が可能に。もちろん、アタッチメントの組み立てや分解も、安全で容易に行える設計になっています。
解体工事には騒音や粉塵の飛散がつきものですが、SK3500Dは低騒音設計であり、散水ホースの配管によって粉塵もおさえることができます。解体する建物だけでなく、周辺の環境にも配慮が行き届いた“気配りのできる”重機なんですね。
超大型ビルを解体したいと思ったらまずは解体業者に相談を
SK3500Dの最大作業高さはギネスブックにも登録され、都市部の高層ビルなどを中心にさまざまな地域で活躍しています。高層ビルの解体を実施したいと考える方にとっては、とても頼りになる存在です。
高層ビルを解体したいと考えたら、まずは解体工事を請け負う事業者(解体業者)に相談してみましょう。工事の工法や重機も日々進歩しています。SK3500Dの活用も含め、最善の方法を提案してもらうことができるはずです。
解体業者によって、得意な建物のジャンルや所有する重機などが異なります。1社に相談して「できない」と言われたとしても、諦めずにいろいろな解体業者をあたってみるといいでしょう。
おわりに
解体工事で活躍する重機というと、クレーンやショベルカーなどを思い浮かべることが多いと思います。しかし、世の中にはさまざまな解体ニーズがあり、それに応じて活躍する重機のバリエーションも広がっているのです。
安全で効率的な解体工事を実施できるということは、解体業者だけでなく、工事を依頼する施主にとっても大きなメリットが生じます。信頼できる解体業者を選び、最適な解体工事を行えるよう相談しましょう。