解体工事で○○○○が大移動!! 解体工事をする前に最優先にすべき害虫駆除について


長年放置されていた空き家では、老朽化が進んで今にも倒れそうな建物、庭の草木も伸び放題で周囲の景観を著しく損ねるような家、ごみが放置されて悪臭を漂わせている家などが散見されます。そうした空き家の解体工事は危険性の排除にもつながり、近隣の住民の方にとっては喜ぶべきことといえるでしょう。

しかし、そうした空き家を解体する際に注意しなければならないのが、「害虫」の存在です。解体工事を行う前に適切な害虫駆除を行っておかなければ、害虫の被害が一気に周囲の住宅に及んでしまいかねません。空き家の解体工事と害虫駆除の関係を理解しておきましょう。

空き家に害虫が発生する理由について

空き家には、シロアリやハエ、ゴキブリといったさまざまな害虫が住み着いている可能性があります。夏から秋にかけての季節には、ハチが巣を作ってしまうことも。長い間誰も住んでいなかった空き家が害虫の温床になってしまうのには、理由があります。

家に住む人間は、害虫を見つけたら退治しようとします。したがって、害虫にとっては“天敵”となる存在です。人の住んでいない空き家には、その“天敵”がいません。そのうえ、人の出入りがないことから換気がなされず、湿気もこもりがち。高い湿気の保たれた室内は、害虫が過ごすのに格好の場所となります。

反面、空き家で乾燥しがちなのが、水道管。毎日使われている水道管は水で満たされていますが、長期間使われていない水道管の内部は乾燥しており、下水道からの害虫の侵入を助ける絶好の経路となってしまいます。こうしたことから、長い間放置されてきた空き家には多くの害虫が住み着いている可能性が高いと考えられるのです。

解体工事前の害虫駆除の流れと費用とは

害虫が住み着いている空き家に何の対策も施さないまま解体工事をしてしまったら、害虫は一気に近隣へ逃げ出してしまうでしょう。空き家を解体することで近隣にお住まいの方々に害虫の被害が及んでしまうのは、絶対に避けなければなりません。

そのためには、解体工事の前に空き家のなかで害虫駆除を実施する必要があります。害虫駆除は、市販の殺虫剤を使って自分自身で行うことも可能ですが、害虫駆除の専門業者に依頼することで害虫駆除をより万全に済ませることができます。

害虫駆除を専門業者に依頼する場合の費用は駆除する範囲や害虫の種類などによってさまざまで、平均すると3万円から5万円ほどかかるとされています。広い家では害虫駆除の対象範囲も必然的に広がり、駆除にかかる費用も高額になりやすくなります。

また、害虫の種類でみると、ゴキブリは比較的安いことが多く2〜3万円程度、ネズミやアシナガバチが対象になると5万円から10万円ほどにのぼることもあるなど、相場も高めです。

害虫発生の前にまずは対策を!

今、空き家があってまだ害虫が発生していないのであれば、まずは害虫が発生しないよう対策を打つのが先決です。

空き家のままにしない

空き家に害虫が住み着いてしまうのは、空き家に誰の手も入らず放置されることで、害虫にとって快適な環境がキープされてしまうから。ということは、その状態が放置されないようにすればいいわけです。

そのための対策として最も効果的なのは、誰かが入居することによって「空き家」でなくなること。家族や親戚と相談して住んでくれる人を探す、あるいは賃貸に出すといった対応を検討してみましょう。

今は、空き家の所有者と入居希望者のマッチングを自治体や委託団体がサポートする「空き家バンク」の制度もあります。空き家の状態にもよりますが、もし可能であれば、検討する価値は高いです。

空き家の管理方法

とはいえ、長年空き家であった物件であれば傷んでいることも多く、賃貸に出しても借り手はなかなかつかないかもしれません。家族や親戚に声をかけても、今の生活を考えると入居は難しいと言われることも多いでしょう。

それであれば、月に何回か空き家に通って掃除するという対策も十分有効です。空き家がそれほど遠くないなら、何人かが持ち回りで担当するようにすれば、1人あたりの通う回数はそれほど増やさずにすみます。

空き家では、窓や扉などをすべて開けて空気を入れ換える「換気」や、キッチンや洗面所、トイレや浴室などの水道管で水を出す「通水」などを行うだけで、害虫の被害はかなり食い止められます。

業者へ頼む

それでも、空き家が遠くにある場合は、「月に何度か」すら通えないという方も多いのではないでしょうか。そんな場合は、空き家管理の代行業者に手入れを依頼するという方法を考えてみるといいでしょう。

代行業者に頼むと費用が発生しますが、自分や家族が遠くに住んでいるなら、通う交通費よりも安上がりになることもあります。そのうえ、プロの代行業者にメンテナンスを頼めるとあれば、安心感も高まりますよね。

代行業者の費用は、月に何回お願いするか、どこまでのメンテナンスをお願いするかといったことによっても異なります。興味のある方は、具体的に見積もりを取り寄せてみてはどうでしょうか?

害虫被害の例を紹介

害虫防止の対策を行ったものの食い止めきれなかった場合、あるいはすでに害虫が住み着いてしまっている場合は、やはり、解体工事を行う前に害虫駆除を実施することを検討してみましょう。

「そうはいっても、解体する家で害虫駆除をする費用がもったいない」「解体工事で害虫が近所に逃げ出すといっても、何匹か出ていく程度じゃないの?」と思いますよね。

しかし、空き家の解体工事で、ご近所さんに害虫の被害が起こってしまうというのは、決して極端な事例ではないのです。

一番の被害…

害虫被害の代表的な例が、ゴキブリの大移動。えさが豊富で繁殖しやすい人の家は、ゴキブリにとっては重要なすみかです。その家を追われたゴキブリが、解体工事の行われた空き家から“大移動”したという事例は数多く聞かれています。

また、木造住宅にとってはシロアリも恐るべき敵となります。木材が適度な湿り気を帯びている空き家はシロアリにとっては格好のえさであり、好みの生息場所です。その空き家が取り壊されてしまえば、今度は近隣の木造住宅にえさを求めていきます。

夏を中心に大きな脅威となるハチもまた、空き家を根城にして巣を作りやすいもの。解体工事で空き家がなくなってしまったら、新たに巣を作る場所を探してほかの家の軒先を飛び回ることになってしまうのです。

害虫発生前に早期解体が重要!

こうしたことを総合的に考えると、空き家に誰かが住む予定がないのであれば、害虫が発生してしまう前に早めに空き家を解体してしまうのが一番安心です。

空き家を放置しておくことで生じる心配は、害虫問題だけではありません。老朽化が進んで倒壊するおそれもあります。倒壊でご近所の住宅などに被害を与えてしまうことがあれば、害虫どころではなく大きな問題になってしまいます。

近年は、そうした空き家の増加が社会問題となったことで「空家等対策特別措置法」という法律も制定されました。これによって、状態が悪いまま放置された空き家は、自治体から罰金を科されることや、強制解体などを行われてしまうことも考えられます。

そのようなことになる前に空き家を早期解体すれば、空き家を管理するリスクや害虫駆除を行う費用の負担から解放されるのです。

おわりに

長年住んでいなかった空き家の近隣に住んでいる方々は、それまでも危険な空き家に不安を感じていたり迷惑を被っていたりしたかもしれません。そこへ解体工事でさらに迷惑をかけるようなことは、あってはならないことですよね。

解体工事では、ただでさえ近隣の住宅に対して、騒音や震動、粉塵の飛散といった迷惑を多少なりともかけてしまうことになりがちです。そうした迷惑を最小限にとどめるのはもちろん、害虫被害も及ぼすことのないよう、十分対策を講じてから解体工事を行いましょう。


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